放映45周年特別企画
アルプスの少女ハイジ展
Heidi
~アルムの山が呼んでいる。~
COPYRIGHTS ZUIYO CO.,LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
撮影 浦 典子
1974年の初回放映から45年を迎えた日本が誇る名作アニメ、「アルプスの少女ハイジ」。
これを記念した特別企画展が阪急うめだギャラリーにおいて好評開催中だ。
「アルプスの少女ハイジ」は、日本のみならず欧州各国、アラブ諸国やアフリカ・アジアなど世界中の国々でも放送された。
「アルプスの少女ハイジ」は、制作にあたり、海外現地調査(ロケーション・ハンティング)を行った日本で初めてのアニメだ。
調査には、高畑勲、宮崎駿、小田部羊一らが参加。そのルートも展覧会で記されている。
奇しくも2019年7月2日より東京国立近代美術館にて「高畑勲展 日本のアニメーションに遺したもの」が開催中だ。
☆高畑勲展公式サイト
https://takahata-ten.jp/
☆東京国立近代美術館
https://www.momat.go.jp/am/
さらに、オープニングテーマ「おしえて」(作詞 - 岸田衿子 / 作曲 - 渡辺岳夫)の渡辺岳夫もロケハンの第二陣に参加したという。
曲の始めのアルペン・ホルンとハープの音色とヨーデルのコーラスは、スイスで現地録音したものをミックス・ダウンした凝ったつくり。
渡辺岳夫は、「巨人の星」、「アタックNo.1」、「金メダルへのターン!」、「ミュンヘンへの道」などしスポ根もの主題歌の第一人者の作曲家で、その展開部の豊かな広がりには評価が高く、その作品群には作家の個性が顕著に表れている。
筆者は子供の頃、耳コピーをしてピアノで弾いていたくらい大好きな作曲家だ。
しかし、オープニングテーマ「おしえて」には、作家の個性をうまく表現しながらも抑えた作曲法を取り、親しみやすい作品に仕上げた。
彼の作品、「キャンディ・キャンディ」はフランスのテレビCMにも使われているのを筆者は目撃しているし、フランスの観光局のかたとロートレックの城に行く途中の車の中で、フランスのかたはフランス語で、筆者は日本語で大合唱した思い出がある。
その時にも、「おしえて」も歌ったのだ。「アルプスの少女ハイジ」がフランスで放映されていたと聞いたのは、その時が初めてで大変驚いたものだ。
日本コロムビアGOLD DISCが展示されている。
アニメで使われた「カウベル」などの効果音も現地で録音されたという。
以下の画像はフォトギャラリーにて参照されたし。
さらに絵コンテや、台本、当時使用されていたアニメーター動画机などの貴重な資料や、放映当時に販売されていた懐かしのグッズを展示。
さらにキャラクターデザイン・作画監督である小田部羊一氏による原画も展示。
設定画や現代でも活かされている「レイアウトシステム(場面設計)」、セル画なども展示され、制作工程がよくわかる。
また、ハイジの国・スイスの紹介も。
牛、ヒツジ、ヤギが絢爛な飾りベルトを施し、山の牧草地へと上がっていくのを祝福する初夏の伝統行事“牧のぼり”や“牧くだり”。
筆者が添乗員をしていた時、偶然に出くわしたことがある。
その時のお客様も、ハイジの国に来たくて参加したとおっしゃっていた。そして、バスの中では、「おしえて」の大合唱。
この作品は、スイスのイメージに貢献しているといえよう。
また、原作とアニメとの相違点にも言及し、なぜ変更したかも紹介されている。
製作は瑞鷹エンタープライズ(当時)の子会社、「ズイヨー映像」。
高橋茂人社長は「アルプスの少女ハイジ」を創るためにこの会社を興したのだ。
展覧会では、高橋茂人はプロデューサーとして何を目的に制作をしたか、そして制作の指針を明確に書いている。
美術背景は、可能な限り「実際の風景」を写すように指示している。
例えば、ゼーゼマン邸のモデルがフランクフルトのゲーテの生家などだ。
すなわち、実際に訪れるとアニメで見たとおりの風景が広がる。
大人になってから訪れた時の楽しみができるように考えられているのは、その地を訪れる楽しみになる。いわゆる「ロケ地めぐり」ができるのだ。
このことを知っていたら、添乗員時代、お客様にもっと具体的な説明ができたと思い、申し訳なく思っている。
アニメ、「アルプスの少女ハイジ」は、「お話の世界」で現実とは違うというがっかりをさせない子供の気持ちをわかってくれている。
誰もが物語の世界と現実の世界の融合を体験できるなんて、何とすばらしいことだろう。
「アルプスの少女ハイジ」のタイトルも、スイスの作家ヨハンナ・シュピリ(またはスピリ)の児童文学作品が原作だが、原題は『Heidis Lehr- und Wanderjahre』(ハイジの修行時代と遍歴時代、1880年出版)と『Heidi kann brauchen, was es gelernt hat』(ハイジは習ったことを使うことができる、1881年出版)
だとこの展覧会は、挿絵作家の変遷と共に教えてくれている。
「ハイジから学ぶ幸せな生き方」には、忘れかけていた純粋さを思い起こされた。
過去最大級の企画展で、大変勉強になる展覧会だ。
この展覧会には、撮影可の場所があるので、ぜひカメラで撮影することをお勧めする。
なお、2019年7月17日~10月13日、チューリッヒスイス国立博物館(Swiss National Museum.)で展覧会、“Heidi in Japan”が開催中だ。
☆チューリッヒスイス国立博物館
https://www.nationalmuseum.ch/e/microsites/2019/Zuerich/Heidi.php
https://www.nationalmuseum.ch/
以下、画像提供 スイス国立博物館(Swiss National Museum.)
※注 阪急うめだギャラリーでは以下の画像は展示されていない。
Heidi, created by Yoichi Kotabe specially for the exhibition at the National Museum Zurich.Swiss National Museum / Yoichi Kotabe
Drawing for ‘Heidi, Girl of the Alps’ (Alpenmädchen Heidi) from 1974. Yoichi Kotabe
Drawing for ‘Heidi, Girl of the Alps’ (Alpenmädchen Heidi) from 1974 .Yoichi Kotabe
Layout for the Japanese cartoon series ‘Heidi, Girl of the Alps’, first aired in 1974. Yoichi Kotabe
A view of the exhibition. Swiss National Museum
A view of the exhibition. Swiss National Museum
A view of the exhibition. Swiss National Museum
このようにスイスの国立の博物館でも評価されている、アニメ、「アルプスの少女ハイジ」。
日本初の文化として胸を張りたい作品だ。
◎2019年(令和 元年)8月14日(水)~19日(月
阪急うめだ本店9階 阪急うめだギャラリー
日~木曜日=10:00~20:00
金・土曜日=10:00~21:00
※閉場30分前までにご入場のこと。
※催し最終日は午後6時閉場
入場料:一般・大学・高校生500円、中学生以下無料
阪急お得意様カード、ペルソナカード、エメラルドSTACIAカードのご呈示でご本人様に限り、入場料から100円割引
☆阪急うめだ本店
http://www.hankyu-dept.co.jp
☆☆阪急うめだギャラリー
http://www.hankyu-dept.co.jp/honten/event/index.html
☆公式サイト
☆[ワークショップ]
カラーサンドをまぶして作る、懐かしの「砂絵」に加え、新しく「マジックねんど」が登場!
(参加費:各 税込 540円)
☆《杉山佳寿子トークショー開催》
[日時]8月17日(土)正午〜、午後3時〜 ※各回約30分
[場所]阪急うめだ本店 9階 祝祭広場階段下ステージ
アニメ制作時のエピソードや、声優・俳優としてのお話しも。
お客様ご参加の「声優体験アテレコゲーム」も実施。
☆読者プレゼント
10組20名様にご招待券 プレゼント
あて先 :loewy@jg8.so-net.ne.jp に
件名:展覧会名と会場名
本文:ご住所、お名前
をお書きの上どしどしご応募下さい。
締切:UPした日の午前零時
発送をもって当選と代えさせていただきます。
会期が短いため、速達などでお届けには最善を尽くします。
☆ご意見・ご要望・ご感想のお願い
よりよいサイトづくりのため、読者の皆さまからのご意見を常時受け付けております。
あて先 :loewy@jg8.so-net.ne.jp に
件名:アートニューズ ご意見・ご要望・ご感想
とお書きの上、ご意見・ご要望をお送り下さいませ。
お待ちいたしております。
☆お知らせ
いつもご愛読下さいまして、まことにありがとうございます。
皆さまからのあたたかい励ましのメイル、大変ありがたくうれしく思っております。
多くのかたからメイルをいただいておりますため、ご返信ができないこともございますが、何卒お許し下さいませ。
※画像および記事の無断転載禁止
放映45周年特別企画
アルプスの少女ハイジ展
Heidi
~アルムの山が呼んでいる。~
COPYRIGHTS ZUIYO CO.,LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
撮影 浦 典子
1974年の初回放映から45年を迎えた日本が誇る名作アニメ、「アルプスの少女ハイジ」。
これを記念した特別企画展が阪急うめだギャラリーにおいて好評開催中だ。
「アルプスの少女ハイジ」は、日本のみならず欧州各国、アラブ諸国やアフリカ・アジアなど世界中の国々でも放送された。
「アルプスの少女ハイジ」は、制作にあたり、海外現地調査(ロケーション・ハンティング)を行った日本で初めてのアニメだ。
調査には、高畑勲、宮崎駿、小田部羊一らが参加。そのルートも展覧会で記されている。
奇しくも2019年7月2日より東京国立近代美術館にて「高畑勲展 日本のアニメーションに遺したもの」が開催中だ。
☆高畑勲展公式サイト
https://takahata-ten.jp/
☆東京国立近代美術館
https://www.momat.go.jp/am/
さらに、オープニングテーマ「おしえて」(作詞 - 岸田衿子 / 作曲 - 渡辺岳夫)の渡辺岳夫もロケハンの第二陣に参加したという。
曲の始めのアルペン・ホルンとハープの音色とヨーデルのコーラスは、スイスで現地録音したものをミックス・ダウンした凝ったつくり。
渡辺岳夫は、「巨人の星」、「アタックNo.1」、「金メダルへのターン!」、「ミュンヘンへの道」などしスポ根もの主題歌の第一人者の作曲家で、その展開部の豊かな広がりには評価が高く、その作品群には作家の個性が顕著に表れている。
筆者は子供の頃、耳コピーをしてピアノで弾いていたくらい大好きな作曲家だ。
しかし、オープニングテーマ「おしえて」には、作家の個性をうまく表現しながらも抑えた作曲法を取り、親しみやすい作品に仕上げた。
彼の作品、「キャンディ・キャンディ」はフランスのテレビCMにも使われているのを筆者は目撃しているし、フランスの観光局のかたとロートレックの城に行く途中の車の中で、フランスのかたはフランス語で、筆者は日本語で大合唱した思い出がある。
その時にも、「おしえて」も歌ったのだ。「アルプスの少女ハイジ」がフランスで放映されていたと聞いたのは、その時が初めてで大変驚いたものだ。
日本コロムビアGOLD DISCが展示されている。
アニメで使われた「カウベル」などの効果音も現地で録音されたという。
以下の画像はフォトギャラリーにて参照されたし。
さらに絵コンテや、台本、当時使用されていたアニメーター動画机などの貴重な資料や、放映当時に販売されていた懐かしのグッズを展示。
さらにキャラクターデザイン・作画監督である小田部羊一氏による原画も展示。
設定画や現代でも活かされている「レイアウトシステム(場面設計)」、セル画なども展示され、制作工程がよくわかる。
また、ハイジの国・スイスの紹介も。
牛、ヒツジ、ヤギが絢爛な飾りベルトを施し、山の牧草地へと上がっていくのを祝福する初夏の伝統行事“牧のぼり”や“牧くだり”。
筆者が添乗員をしていた時、偶然に出くわしたことがある。
その時のお客様も、ハイジの国に来たくて参加したとおっしゃっていた。そして、バスの中では、「おしえて」の大合唱。
この作品は、スイスのイメージに貢献しているといえよう。
また、原作とアニメとの相違点にも言及し、なぜ変更したかも紹介されている。
製作は瑞鷹エンタープライズ(当時)の子会社、「ズイヨー映像」。
高橋茂人社長は「アルプスの少女ハイジ」を創るためにこの会社を興したのだ。
展覧会では、高橋茂人はプロデューサーとして何を目的に制作をしたか、そして制作の指針を明確に書いている。
美術背景は、可能な限り「実際の風景」を写すように指示している。
例えば、ゼーゼマン邸のモデルがフランクフルトのゲーテの生家などだ。
すなわち、実際に訪れるとアニメで見たとおりの風景が広がる。
大人になってから訪れた時の楽しみができるように考えられているのは、その地を訪れる楽しみになる。いわゆる「ロケ地めぐり」ができるのだ。
このことを知っていたら、添乗員時代、お客様にもっと具体的な説明ができたと思い、申し訳なく思っている。
アニメ、「アルプスの少女ハイジ」は、「お話の世界」で現実とは違うというがっかりをさせない子供の気持ちをわかってくれている。
誰もが物語の世界と現実の世界の融合を体験できるなんて、何とすばらしいことだろう。
「アルプスの少女ハイジ」のタイトルも、スイスの作家ヨハンナ・シュピリ(またはスピリ)の児童文学作品が原作だが、原題は『Heidis Lehr- und Wanderjahre』(ハイジの修行時代と遍歴時代、1880年出版)と『Heidi kann brauchen, was es gelernt hat』(ハイジは習ったことを使うことができる、1881年出版)
だとこの展覧会は、挿絵作家の変遷と共に教えてくれている。
「ハイジから学ぶ幸せな生き方」には、忘れかけていた純粋さを思い起こされた。
過去最大級の企画展で、大変勉強になる展覧会だ。
この展覧会には、撮影可の場所があるので、ぜひカメラで撮影することをお勧めする。
なお、2019年7月17日~10月13日、チューリッヒスイス国立博物館(Swiss National Museum.)で展覧会、“Heidi in Japan”が開催中だ。
☆チューリッヒスイス国立博物館
https://www.nationalmuseum.ch/e/microsites/2019/Zuerich/Heidi.php
https://www.nationalmuseum.ch/
以下、画像提供 スイス国立博物館(Swiss National Museum.)
※注 阪急うめだギャラリーでは以下の画像は展示されていない。
Heidi, created by Yoichi Kotabe specially for the exhibition at the National Museum Zurich.Swiss National Museum / Yoichi Kotabe
Drawing for ‘Heidi, Girl of the Alps’ (Alpenmädchen Heidi) from 1974. Yoichi Kotabe
Drawing for ‘Heidi, Girl of the Alps’ (Alpenmädchen Heidi) from 1974 .Yoichi Kotabe
Layout for the Japanese cartoon series ‘Heidi, Girl of the Alps’, first aired in 1974. Yoichi Kotabe
A view of the exhibition. Swiss National Museum
A view of the exhibition. Swiss National Museum
A view of the exhibition. Swiss National Museum
このようにスイスの国立の博物館でも評価されている、アニメ、「アルプスの少女ハイジ」。
日本初の文化として胸を張りたい作品だ。
◎2019年(令和 元年)8月14日(水)~19日(月
阪急うめだ本店9階 阪急うめだギャラリー
日~木曜日=10:00~20:00
金・土曜日=10:00~21:00
※閉場30分前までにご入場のこと。
※催し最終日は午後6時閉場
入場料:一般・大学・高校生500円、中学生以下無料
阪急お得意様カード、ペルソナカード、エメラルドSTACIAカードのご呈示でご本人様に限り、入場料から100円割引
☆阪急うめだ本店
http://www.hankyu-dept.co.jp
☆☆阪急うめだギャラリー
http://www.hankyu-dept.co.jp/honten/event/index.html
☆公式サイト
☆[ワークショップ]
カラーサンドをまぶして作る、懐かしの「砂絵」に加え、新しく「マジックねんど」が登場!
(参加費:各 税込 540円)
☆《杉山佳寿子トークショー開催》
[日時]8月17日(土)正午〜、午後3時〜 ※各回約30分
[場所]阪急うめだ本店 9階 祝祭広場階段下ステージ
アニメ制作時のエピソードや、声優・俳優としてのお話しも。
お客様ご参加の「声優体験アテレコゲーム」も実施。
☆読者プレゼント
10組20名様にご招待券 プレゼント
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件名:展覧会名と会場名
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会期が短いため、速達などでお届けには最善を尽くします。
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