クリムト展 ウィーンと日本 1900 Gustav Klimt: Vienna – Japan 1900

 

 

 

クリムト展 ウィーンと日本 1900

 

Gustav Klimt:

Vienna – Japan 1900

 

 

 

 

待望のクリムト展、過去最大級。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 グスタフ・クリムト《ユディトⅠ》

 

1901年 油彩、カンヴァス 84×42cm

 

ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館 © Belvedere, Vienna, Photo: Johannes Stoll

 

 

19世紀末ウィーンを代表する画家グスタフ・クリムト(Gustav Klimt 1862-1918)。

 

華やかな装飾性と世紀末的な官能性をあわせもつその作品は、いまなお圧倒的な人気を誇る。

 

東京都美術館においてクリムトの2018年の没後100年を記念する展覧会が好評開催中だ。

 

また、2019年はオーストリアと日本の友好150周年を迎える記念の年でもある。

 

この展覧会では、初期の自然主義的な作品から、分離派結成後の「黄金様式」の時代の代表作、甘美な女性像や数多く手掛けた風景画まで、《ユディトI》など貴重な油彩画を含む日本では過去最多となる25点以上のクリムトの油彩画を紹介。

 

クリムトについては以下などで記しているので参照されたし。

 

☆生誕1 5 0 年記念クリムト  黄金の騎士をめぐる物語

 

    https://artnews.blog.so-net.ne.jp/2013-02-02

 

    https://artnews.blog.so-net.ne.jp/2013-03-28

 

    https://artnews.blog.so-net.ne.jp/2013-05-28-1

 

 

 

  さらにこの展覧会の特徴は、クリムト作品の世界的殿堂ともいえるウィーンのベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館(Schloss Belvedere)の所蔵作品を中心に、クリムトの画業の変遷と共にクリムトが影響を受けた日本の美術品や同時代のウィーンで活動した画家たちの作品も展示されていること。

 

  19世紀末のウィーンで紹介された日本の工芸品や絵画を通して、クリムトが受けたジャポニスムの影響にも言及されている。

 

また、ウィーンの分離派会館を飾る壁画の精巧な複製による再現も見逃せない。

 

 

 

 ☆グスタフ・クリムトとは? 

 

グスタフ・クリムト(18621918)はウィーンの世紀末美術を代表する画家。

 

クリムト独自の甘美で装飾的なスタイルは、今なお多くの人々を魅了し続けている。

 

保守的なウィーン美術家組合を嫌った芸術家達によって1897年にウィーン分離派が結成された。

 

クリムトは初代会長を務めた分離派は古典的、伝統的な美術からの分離を標榜する若手芸術家のグループである。

 

この分離派は展覧会、出版などを通してモダンデザインの成立に大きな役割を果たした。

 

クリムトは1902年に開催された分離派によるベートーヴェン展に大作『ベートーヴェン・フリーズ』を出品したが、世間から反感を買ってしまう。

 

この作品は長年行方不明となっていたが、1970年にオーストリア政府により買い上げられて修復を受け、現在ではセセッション館(分離派会館)所蔵。

 

その翌1903年、第18回ウィーン分離派展ではクリムトの回顧展示が行われた。

 

この展覧会は、クリムトにとってもこれだけ多くの作品を出品することは初めてで、特別な機会であった。

 

その展覧会で初めて出品されたのが、当時のクリムトが置かれた状況を映し出す『人生は戦いなり(黄金の騎士)』である。

 

この《人生は戦いなり》のメインモチーフである「黄金の騎士」のイメージは、寓意に富んだ《ベートーヴェン・フリーズ》(1902 年)に描かれた騎士像に直接由来している。

 

また金を多用しつつ、平板で幾何学的な装飾性は、当時のウィーンを取り巻く美術界の中から生まれたもので、ウィーン工房の作品との共通性が認められる。

 

無垢な少女、魔性の女、運命の女など女性の様々な魅力を官能的なテーマで描くクリムト。

 

しかし、クリムトの初期は写実的でアカデミックな画風だった。

 

オーストリア芸術を代表する国宝的作品としても位置付けられる《接吻》。

 

これに代表される作品に見られる、金箔を多用する「黄金様式」の時代を経て、装飾的で抽象的な色面と人物を組み合わせた独特の画風を確立。

 

ウィーン・モダニズムの旗手として活躍。

 

以下の画像はフォトギャラリーにて参照されたし。

 

グスタフ・クリムト《ヌーダ・ヴェリタス(裸の真実)》

 

1899年 油彩、カンヴァス 244×56.5cm

 

オーストリア演劇博物館 © KHM-Museumsverband, Theatermuseum, Vienna

 

 

 

   グスタフ・クリムト《ヘレーネ・クリムトの肖像》

 

1898年 油彩、厚紙 59.7×49.9cm

 

ベルン美術館(個人から寄託) Kunstmuseum Bern, loan from private collection

 

 

 

グスタフ・クリムト《オイゲニア・プリマフェージの肖像》

 

1913/14年 油彩、カンヴァス 140×85cm

 

豊田市美術館

 

 

 

グスタフ・クリムト《赤子(ゆりかご)》

 

1917年 油彩、カンヴァス 110.9×110.4cm

 

ワシントン・ナショナル・ギャラリー
National Gallery of Art, Washington, Gift of Otto and Franciska Kallir with the help of the Carol and Edwin Gaines Fullinwider Fund, 1978.41.1

 

 

 

○みどころ

 

  ☆「黄金様式」の時代の代表作のひとつ《ユディトI》も含まれるほか、全長34mにも及ぶ壁画《ベートーヴェン・フリーズ》の精巧な複製も来日し、ウィーンの分離派会館での展示を再現。

 

グスタフ・クリムト《ベートーヴェン・フリーズ》(部分)

 

1984年(原寸大複製/オリジナルは1901-02年) 216×3438

 

ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館 © Belvedere, Vienna

 

 

 

  ☆ローマ国立近代美術館(Galleria Nazionale d’Arte Moderna E Contemporanea)所蔵の《女の三世代》が日本初公開。

 

     クリムトが深い関心を寄せた生命の円環をテーマに、人間の一生を幼年期、青年期、老年期の三段階に分けて寓意的に表す作品。

 

縦横約170cmと、壁画などを別にすればクリムト最大の絵画のひとつ。

 

 

グスタフ・クリムト《女の三世代》

 

1905年 油彩、カンヴァス 171×171cm

 

ローマ国立近代美術館

 

Roma, Galleria Nazionale d’Arte Moderna e Contemporanea. Su concessione del Ministero per i Beni e le Attività Culturali

 

 

 

 

 

筆者は、ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館とローマ国立近代美術館でクリムトの作品を実際に鑑賞したが、それには、かなりの時間と移動距離を要した。

 

しかし、この展覧会に行けば、一度に見られることは大変意義深いことだと考える。

 

クリムトの没後100年を記念するイベントとして、パリで“Les soirées Klimt”が開催されていた。

 

パリ市の東のはずれに位置する会場は、観光客が訪れることの少ない場所にもかかわらず、連日、入場するのに長蛇の列ができており、広い会場も人でいっぱいだった。

 

プロジェクションマッピングによるクリムトの作品は、広い会場いっぱいに映し出され、迫力満点。

 

https://www.atelier-lumieres.com/fr/soirees-klimt

    

Atelier Des Lumieres 撮影  浦 典子

 

Les soirées Klimt” 撮影  浦 典子

 

  東京では、約30年ぶりのクリムトの展覧会。

 

パリを悪く言うわけではないが、日本では、本物のクリムトの作品が鑑賞できる。

 

クリムトの作品j数は多くない。

 

25点ものクリムトの油彩画作品が展示されるのは、なかなか難しいことだ。

 

 お見逃しなく。

 

☆ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館(Schloss Belvedere

 

    https://www.belvedere.at/

 

 

 

ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館(外観)© Belvedere, Vienna, Photo: Ouriel Morgenstzern

 

 

 

☆ローマ国立近代美術館(Galleria Nazionale d’Arte Moderna E Contemporanea

 

    http://lagallerianazionale.com/

 

 

 

ローマ国立近代美術館 外観 (Galleria Nazionale dArte Moderna E Contemporanea) 撮影  浦 典子

 

 

 

ローマ国立近代美術館の展示風景 撮影  浦 典子

 

 

グスタフ・クリムト《アッター湖畔のカンマー城III

 

1909/10年 油彩、カンヴァス 110×110cm

 

ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館 © Belvedere, Vienna, Photo: Johannes Stoll

 

 

 

  グスタフ・クリムト《家族》 

 

1909/10年 油彩、カンヴァス 90×90cm

 

ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館 © Belvedere, Vienna, Photo: Johannes Stoll

 

 

 

   グスタフ・クリムト《白い服の女》

 

1917-18年 油彩、カンヴァス 70×70

 

ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館 © Belvedere, Vienna

 

 

 

  グスタフ・クリムト《雨後(鶏のいるザンクト・アガータの庭)》

 

1898年 油彩、カンヴァス 80×40

 

ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館 © Belvedere, Vienna

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[展覧会名]             クリムト展 ウィーンと日本 1900

 

[会 期]   2019423日(火)〜 710日(水)

 

[休室日] 71日(月)

 

[開室時間]             午前930分~午後530

 

※金曜日は午後8時まで(入室は閉室の30分前まで)

 

74日(木)、6日(土)は特別夜間開室のため

 

午後8時まで(入室は閉室の30分前まで)

 

[会 場]   東京都美術館 企画展示室

 

110-0007 東京都台東区上野公園8-36

 

[主 催]   東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)、

 

朝日新聞社、TBS

 

ベルヴェデーレ宮オーストリア絵画館 Belvedele

 

[後 援]   オーストリア大使館 / オーストリア文化フォーラム

 

JAPAN - AUSTRIA 1869 - 2019

 

[協 賛]   ショップチャンネル、セコム、損保ジャパン日本興亜、

 

大日本印刷、竹中工務店、トヨタ自動車、三菱商事、

 

パナソニック、みずほ銀行

 

[協 力]   全日本空輸

 

[お問い合わせ]       03-5777-8600(ハローダイヤル)

 

観覧料

 

当日券  一般 1,600円 / 大学生・専門学校生1,300円 / 高校生 800円 / 65歳以上 1,000

 

団体券  一般 1,400円 / 大学生・専門学校生1,100円 / 高校生 600円 / 65歳以上 800

 

※団体割引の対象は20名以上

 

※中学生以下は無料

 

※身体障がい者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障がい者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその付添いの方(1名まで)は無料。

 

※いずれも証明できるものをご持参のこと。

 

主催

 

東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)、朝日新聞社、テレビ朝日、BS朝日

 

後援アメリカ大使館特別協賛第一生命グループ 第一生命、第一フロンティア生命、ネオファースト生命協賛セコム、凸版印刷、三菱商事、アトレ、竹中工務店

 

協力

 

日本航空、日本貨物航空

 

お問い合わせ先TEL03-5777-8600(ハローダイヤル)

 

☆東京都美術館

 

http://www.tobikan.jp

 

☆特設WEBサイト

 

     https://klimt2019.jp/

 

 

 

☆読者プレゼント 

 

   510名様にご招待券 プレゼント

 

   あて先 :  loewy@jg8.so-net.ne.jp

 

   件名:展覧会名と会場名

 

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☆巡回予定

 

2019723日(火)〜 1014日(月・祝) 豊田市美術館