印象派への旅 海運王の夢
バレル・コレクション
The Burrell Collection:
A voyage to Impressionism. Vision of a great shipowner-collector
エドガー・ドガ《リハーサル》
1874年頃、油彩・カンヴァス
© CSG CIC Glasgow Museums Collection
海運王バレル卿が収集した、世界屈指のコレクション初来日!
出展作品80点中、76点が日本初公開作品。
英国スコットランドの海港都市、グラスゴー市出身の海運王ウィリアム・バレル卿(Sir William Burrell, 1861 -1958)。
以下の画像はフォトギャラリーにて参照されたし。
ウィリアム・バレル卿(45歳頃)
© CSG CIC Glasgow Museums Collection
バレル卿は、若くして家業の海運業を手伝い始めた後、船舶の売買で大成功し「海運王」と称された。
少年の頃から美術品に関心を持っていたバレル卿は、1890年代から1920年代にかけて主に同じくグラスゴー出身の画商アレクサンダー・リード(Alexander Reid 1854-1928)から作品を購入し、ペプローやメルヴィルなどスコットランドの画家をはじめ、クロホールなど特にグラスゴーで活躍した画家の作品を好んで集め、徐々にフランス絵画にも興味を抱くようになる。
また、古今東西に及ぶ多彩な美術作品をも収集している。
エドゥアール・マネ
《シャンパングラスのバラ》
1882年、油彩・カンヴァス
© CSG CIC Glasgow Museums Collection
アンリ・ファンタン=ラトゥール 《春の花》
1878年、油彩・カンヴァス
© CSG CIC Glasgow Museums Collection
1944年、バレル卿はコレクションのうち数千点もの作品をグラスゴー市に寄付し、それが美術館「バレル・コレクション」と命名された。
バレル卿は、美術館建設に際し、以下の厳しい条件を出した。
「大気汚染の影響が少ない郊外に作品を展示すること」
「国外に持ち出さないこと」
そして、1983年グラスゴー市は郊外のポロック公園内にコレクションを移し、バレル・コレクション(The Burrell Collection)として一般公開。
以降、近代名画を集めた世界屈指のコレクションと称され多くの観光客が訪れ、名所となっている。
「バレル・コレクション」は、その条件を満たさせるため、本来、英国でしか鑑賞することができなかった。
しかし、美術館「バレル・コレクション」は、2015年から2020年まで改修工事により閉館している。
この改装に伴い、このたび、初めて、国外に持ち出すことが許されたのだ。
その「バレル・コレクション」の中から西洋近代絵画を中心に、選りすぐりの作品、計80点を紹介する日本初の展覧会がBunkamura ザ・ミュージアムにおいて開催中である。
美術館「バレル・コレクション」が現在閉館中だからこそ実現した、奇跡の展覧会だ。
知られざるスコットランドの画家の作品から、巨匠のフランス絵画までグラスゴー市のバレル・コレクションから73点が初来日。
さらにグラスゴー市のケルヴィングローヴ美術博物館(Kelvingrove Art Gallery and Museum)からの出展を含む全80作品中、何と76点が日本初公開!
☆ケルヴィングローヴ美術博物館(Kelvingrove Art Gallery and Museum)
https://www.glasgowlife.org.uk/museums/venues/kelvingrove-art-gallery-and-museum
ケルヴィングローヴ美術博物館蔵の作品で見逃せないのは、フィンセント・ファン・ゴッホ(Vincent Van Gogh)が描いた、《アレクサンダー・リードの肖像》だ。
フィンセント・ファン・ゴッホ
《アレクサンダー・リードの肖像》
1887年、油彩・板、ケルヴィングローヴ美術博物館蔵
© CSG CIC Glasgow Museums Collection
アレクサンダー・リードはバレルをはじめ、グラスゴー在住の美術愛好家達に同時代のフランス美術を紹介した人物だ。
画家のフィンセント・ファン・ゴッホの弟で画商のテオ・ファン・ゴッホと一緒に暮らしていたこともある、敏腕画商。
バレル卿は、リードの事を「リードは良質な絵画とそれを愛でる心をスコットランドにもたらした功労者である。」と言っていたという。
来日作品の中でも特に、バレエを題材にしたドガの初期の作品《リハーサル》は門外不出の名作だ。
繊細かつ大胆な構図と色彩が大変美しく、ドガの数多い作品の中でも指折りの名作のひとつだ。
ゴッホ、ルノワール、セザンヌ、クールベ…など巨匠の作品が、バレル・コレクションのほかケルヴィングローヴ美術博物館からも出展されていることもこの展覧会の大きな特徴。
ピエール・オーギュスト・ルノワール《画家の庭》
1903年頃、油彩・カンヴァス、ケルヴィングローヴ美術博物館蔵
© CSG CIC Glasgow Museums Collection
ポール・セザンヌ 《エトワール山稜とピロン・デュ・ロワ峰》
1878-79年、油彩・カンヴァス、ケルヴィングローヴ美術博物館蔵
© CSG CIC Glasgow Museums Collection
ギュスターヴ・クールベ 《マドモワゼル・オーブ・ドゥ・ラ・オルド》
1865年、油彩・カンヴァス
© CSG CIC Glasgow Museums Collection
ちなみにこの展覧会で展示されているエドガー・ドガによる《リハーサル》は、日本展の後、米国ワシントンDCのナショナル・ギャラリー(National Gallery of Art, Washington DC)に展示されることが決定している。
その他の「バレル・コレクション」は、カナダ、オランダ、フランス、英国に展示される予定。
しかし、日本展で展示される作品群は、「バレル・コレクション」の中でも、最もハイライトと呼ばれる珠玉の名作だ。
☆参考
https://www.glasgowlife.org.uk/museums/blog/burrell-spotlight-loans-and-themed-exhibitions
日本に居ながらして、門外不出の名作を鑑賞できるチャンスはまたとない。
海運王の世界屈指の夢のコレクション。お見逃しなく!
☆構成
序章
第1章 身の回りの情景
人物、果物、花など、部屋の中の静謐(せいひつ)かつ親密な情景が描かれた作品群。
第2章 戸外に目を向けて
家の中、街中、郊外へと戸外に広く目を向けて、その景色や、生活・仕事を営む人々、動物を描いた作品群。
第3章 川から港、そして外洋へ
海運王と呼ばれ、港や海への想いが人一倍強いであろうバレルが選んだ海景画を中心とした水辺の景観の作品群。
☆グラスゴー美術館群(Glasgow Museums)
https://www.glasgowlife.org.uk/museums
☆バレル・コレクション(The Burrell Collection)
https://www.glasgowlife.org.uk/museums/venues/the-burrell-collection
現在のバレル・コレクションの外観
© CSG CIC Glasgow Museums Collection
サミュエル・ジョン・ペプロー 《バラ》
1900-05年頃、油彩・カンヴァス
カミーユ・コロー 《フォンテーヌブローの農家》
1865-73年頃、油彩・カンヴァス
© CSG CIC Glasgow Museums Collection
開催期間
2019/4/27(土)-6/30(日)
開館時間
10:00-18:00(入館は17:30まで)
毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)
会場
Bunkamura ザ・ミュージアム
主催
Bunkamura、毎日新聞社
後援
ブリティッシュ・カウンシル
特別協賛
大和ハウス工業株式会社
協賛
大日本印刷
協力
日本航空
お問合せ
ハローダイヤル 03-5777-8600
入館料(消費税込)
当日 団体
一 般 1,500円 1,300円
大学・高校生 1,000円 800円
中学・小学生 700円 500円
◎団体は20名様以上。要 電話でのご予約。
(申込み先:Bunkamura Tel. 03-3477-9413)
◎学生券をお求めの場合は、学生証のご提示のこと(小学生は除く)。
◎障害者手帳のご提示で割引料金あり。詳細は窓口で。
ウジェーヌ・ブーダン
《トゥルーヴィルの海岸の皇后ウジェニー》
1863年、油彩・板
© CSG CIC Glasgow Museums Collection
ウジェーヌ・ブーダン 《ドーヴィル、波止場》
1891年、油彩・板
© CSG CIC Glasgow Museums Collection
アンリ・ル・シダネル 《月明かりの入り江》
1928年、油彩・カンヴァス
© CSG CIC Glasgow Museums Collection
☆Bunkamura ザ・ミュージアム
☆Bunkamura ザ・ミュージアム 印象派への旅 海運王の夢 バレル・コレクション
https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/19_burrell/
☆公式サイト
https://burrell.jp/index.php
☆読者プレゼント
5組10名様にご招待券 プレゼント
あて先 : loewy@jg8.so-net.ne.jp に
件名:展覧会名と会場名
本文:ご住所、お名前
をお書きの上どしどしご応募下さい。
締切:http://art-news-jp.jimdo.comにてUPした日の午前零時
発送をもって当選と代えさせていただきます。
速達などでお届けには最善を尽くします。
☆ご意見・ご要望・ご感想のお願い
よりよいサイトづくりのため、読者の皆さまからのご意見を常時受け付けております。
あて先 :loewy@jg8.so-net.ne.jp に
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☆巡回予定
2019年8月7日-10月20日 静岡市美術館 など