特別展 池大雅 天衣無縫の旅の画家Special ExhibitionThe Genius of Ike no Taiga: Carefree Traveler Legendary Painter

 

特別展 池大雅 

天衣無縫の旅の画家

 

Special Exhibition
The Genius of Ike no Taiga:

Carefree Traveler Legendary Painter

 

             重要文化財 蘭亭曲水・龍山勝会図屏風 池大雅筆 静岡県立美術館(通期展示)

 

 

   与謝蕪村とともに「南画の大成者」と並び称される池大雅(172376)。

 

その大回顧展が京都国立博物館で開催されている。

以下の画像はフォトギャラリーにて参照されたし。

 

重要文化財 洞庭赤壁図巻(部分)池大雅筆 京都国立博物館(通期展示)

 

 

 

国内で池大雅の大規模な展示が行われるのは昭和8年に京都国立博物館にて行なわれてから85年ぶり!

 

その時は、120件が展示された。

 

今回は、過去最大の約162件。

 

しかも、絞りに絞った傑作ばかりを集めたという。

 

渭城柳色図 池大雅筆  新潟・敦井美術館(新潟市)(通期展示)

 

 

 

特に国宝高野山の塔頭・遍照光院所蔵の「山水人物図襖」は、担当学芸員の粘りでギリギリになって貸し出しを特別に許可された作品で、今後寺外での展示には二度と絶対に出さないとも言われた逸品だ。

 

この作品が展示され、国宝・重要文化財に指定されている池大雅作品すべてが会期中に展示されることになる展覧会なのだ。

 

円山応挙や伊藤若冲など、個性派画家がしのぎを削った江戸時代中期の京都画壇。

 

大雅は、そんな時代に才能を発揮した。

 

寡欲で恬淡、きわめて謙虚だったと伝えられる人柄を象徴するかのような、清新で衒いのない明るさに満ちた作品群。

 

この展覧会は、そんな大雅の初期から晩年にいたる代表作を一堂に集め、その画業の全体像を紹介するもの。

 

さらに、その人となりや幅広い交友関係を示す資料を通して、当時から愛された人間、大雅の魅力にも迫る。

 

大雅は、日本各地を訪ねた「旅の画家」だという。

 

旅が大雅の絵画制作に果たした役割についても検証する内容の展覧会だ。

 

20歳代の後半を中心に、大雅は筆の代わりに指を用いて描くパフォーマンス・アート、「指墨画」を多く制作している。

 

これは、人前で即興で描くものだ。

 

指墨独特の表現に積極的な意義を見出し、それを自身の様式へと取り入れて行く。

 

よーく見ると指の跡もわかる作品も展示されており、大雅の息吹を感じさせられる。

 

風雨起龍図 池大雅筆(通期展示)

 

 

 

7歳の時に「神童」と称されたエピソードが象徴的に示すように、大雅は画家としてだけでなく、書家としてもその名を馳せた。

 

唐様(からよう)と呼ばれる中国風の書風を基礎に置きつつ、大雅の書は、伸びやかで格調高い。若いころ扇屋とともに彫印店を営んだと伝えられる大雅は、

 

篆(てん)

 

隷(れい)

 

仮名

 

と幅広い優れた書を残している。

 

同じ人物が書いたと全く思えないほどその書体の違いと美しさには脱帽するばかりだ。

 

外で絵を描くというフランスで始まったとされる印象派。

 

しかし、それより前の時代に大雅は、すでに行なっていたのだ。

 

家の前に白砂を敷き、屋外で制作をしていたことを示す図も展示されている。

 

ピンクや黄色の点描画で描かれた重要文化財 瀟湘勝概図屏風。

 

人間の目で絵の具を混ぜ合わせる画法がなされている。

 

 

 

重要文化財 瀟湘勝概図屏風 池大雅筆(通期展示)

 

我が国の大雅がモネなどの印象派に先んじていたとは、うれしいではないか!

 

この展覧会は、

 

大雅の功績がさらに評価される布石になるであろう。

 

21世紀現代だからこそ、世界の絵画歴史を踏まえた上で大雅を新しい角度から見つめることができるのかもしれない。

 

与謝蕪村との合作は、あの川端康成が愛した作品。

 

場面替えがあるので、何度も訪れたい。

 

国宝 十便十宜図のうち 池大雅筆  公益財団法人川端康成記念會(4/244/30展示 場面替えあり)

 

大雅の作品のうち国宝 3件、重要文化財13件がすべて鑑賞できる、京都国立博物館、渾身の展覧会。

 

大雅が妻玉瀾とともに住んでいた大雅堂の跡が八坂神社の南側、円山公園の音楽堂南に石碑として残っている。

 

展覧会の鑑賞のあと、ぜひ訪れることをお勧めする。

 

京都国立博物館で開催されているからこそ、江戸の世にタイムスリップして京のこの地に活躍した大雅の足跡をたどることができるのだ。

 

ぜひ、お見逃しなく。

 

☆構成

 

 天才登場―大雅を取り巻く人々

 

 中国絵画、画譜に学ぶ 

 

指墨画と様式の模索

 

 大雅と書

 

 旅する画家―日本の風景を描く

 

 大雅と玉瀾(ぎょくらん)

 

 天才、本領発揮―大雅芸術の完成

 

 

 

会期

 

2018(平成30)年47日(土)~ 520日(日)

 

会場

 

京都国立博物館 平成知新館

 

交通

 

JR、近鉄、京都駅下車、京都駅前D1のりばから市バス100号、D2のりばから市バス206208号系統にて博物館・三十三間堂前下車、徒歩すぐ

 

休館日

 

月曜日 

 

※ただし430日(月・休)は開館、翌51日(火)は休館

 

開館時間

 

午前930分から午後6時まで(入館は午後530分まで)

 

※ただし会期中の毎週金曜日は午後8時まで(入館は午後730分まで)

 

 

 

観覧料

 

一般 1,500円(1,300円)

 

 大学生 1,200円(1,000円)

 

 高校生 900円(700円)

 

 中学生以下無料

 

 *( )内は団体20名以上。

 

  *障がい者の方とその介護者(1名)は、障がい者手帳などのご提示で無料。

 

 *キャンパスメンバーズは、学生証またはまたは教職員証をご提示いただくと、各種通常料金より500円引き。

 

 

 

主催

 

京都国立博物館、読売新聞社

 

協賛

 

清水建設、大和ハウス工業、野崎印刷紙業、非破壊検査

 

協力

 

日本香堂

 

 

 

☆京都国立博物館サイト

 

http://www.kyohaku.go.jp/jp

 

☆特別展「池大雅」関連ワークショップ

 

指で描こう!指墨画にチャレンジ

 

  指で描かれた線は大雅の絵の魅力の一つ

 

  体験して展示をさらに楽しみましょう!

 

日時

 

特別展「池大雅」会期中       

 

10301600 参加受付は15:45まで       

 

所要時間15分程度      

 

定員1日 先着300名参加費無料(ただし、当日の観覧券が必要)

 

開催場所

 

京都国立博物館 平成知新館2F レファレンスコーナー     

 

解説

 

京博ナビゲーター

 

対象

 

子どもから大人までどなたでも参加可。

 

☆記念講演会

 

512日(土)

 

 「大雅と蕪村―十便十宜図を中心に―」

 

  講師:小林 忠 氏(岡田美術館 館長)

 

【時間】午後130分~3

 

【会場】平成知新館 講堂

 

【定員】200

 

【参加方法】当日12時より、平成知新館1階グランドロビーにて整理券を配布し、定員になり次第、配布を終了。

 

聴講無料(ただし「池大雅」展の当日の観覧券が必要)。

 

☆読者プレゼント 

 

   510名様にご招待券 プレゼント

 

   あて先 :  loewy@jg8.so-net.ne.jp

 

   件名:展覧会名と会場名

 

   本文:ご住所、お名前

 

   をお書きの上どしどしご応募下さい。

 

       締切:UPした日の午前零時

 

 

 

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