フランス人間国宝展
The Living Treasures of France
日仏両国が共同で推進する、人間国宝の技と美の結晶の展覧会
茶碗Tenmoku(天目) ジャン・ジレル/ 陶器 2017年
©Philippe Chancel
フランス人間国宝(メートル・ダール/Maître d' Art)の認定を受けた13名の作家と、まだ認定はされていないものの、素晴らしい作品を制作している2名、合計15分野15名の作家を紹介する世界初の展覧会が東京国立博物館 表慶館で開催中である。
フランスは文化、芸術の先進国。
しかし、フランス人間国宝は1994年に創設され、約23年の歴史だ。
これは、日本のいわゆる「人間国宝」(正式名称 重要無形文化財の保持者)認定にならい、伝統工芸の保存・伝承・革新を旨として設置されたという。
日本の人間国宝は、重要無形文化財保持者として認定された人物を指す通称だ。
日本では、1950年の文化財保護法の当初施行時から、無形文化財に関する規定は存在はしたが、当初は国が保護策を講じなければ「衰亡の虞(おそれ)」のある無形文化財のみが保護の対象であった。
その後、1954年、文化財保護法の第一次改正によって重要無形文化財の指定、および保持者の認定制度が同法に規定された。
そして、1955年、改正法に基づく最初の重要無形文化財及び保持者(人間国宝)の指定・認定が行われた。
我が国では、約62年の歴史を持つ。
しかし、芸術のすすんでいるフランスに先んじていたことは喜ばしいことだが、大きく人類の歴史を鑑みると両国ともまだまだ始まったばかりだといえよう。
フランスに関係する記事は、以下に記しているので参照されたし。
☆ボストン美術館の至宝展-東西の名品-珠玉のコレクション
https://art-news-jp.jimdo.com/2017/09/27/ボストン美術館の至宝展-東西の名品-珠玉のコレクション-great-collectors-masterpieces-from-the-museum-of-fine-arts-boston-フォトギャラリー/ストン美術館の至宝展-東西の名品、珠玉のコレクションGreat Collectors: Masterpieces from the Museum of Fine Arts, Boston
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2017-09-27
☆国立新美術館開館10周年 ジャコメッティ展10th Anniversary of the National Art Center, Tokyo Alberto Giacometti Collection Fondation Marguerite et Aimé Maeght
https://art-news-jp.jimdo.com/2017/08/10/国立新美術館開館10周年-ジャコメッティ展10th-anniversary-of-the-national-art-center-tokyo-alberto-giacometti-collection-fondation-marguerite-et-aimé-maeght/
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2017-08-10
☆技を極める―ヴァン クリーフ&アーペル ハイジュエリーと日本の工芸 Mastery of an Art: Van Cleef & Arpels – High Jewelry and Japanese Crafts
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2017-07-22
https://art-news-jp.jimdo.com/2017/07/22/技を極める-ヴァン-クリーフ-アーペル-ハイジュエリーと日本の工芸-mastery-of-an-art-van-cleef-arpels-high-jewelry-and-japanese-crafts/
https://art-news-jp.jimdo.com/2017/07/22/フォトギャラリー-技を極める-ヴァン-クリーフ-アーペル-ハイジュエリーと日本の工芸-mastery-of-an-art-van-cleef-arpels-high-jewelry-and-japanese-crafts/
☆アニエスベー フォトコレクション amour,amours...dans ma collection de photographies agnès b. 日本初公開!
https://art-news-jp.jimdo.com/2017/05/13/アニエスベー-フォトコレクション-amour-amours-dans-ma-collection-de-photographies-agnès-b-日本初公開/
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2017-05-13
☆見どころ
画像のみを一目、見ただけでその仕事のクオリティが高く丁寧で、特に縫製に厳しいエルメスで修行したことがわかるのが、セルジュ・アモルソの作品だ。
セルジュ・アモルソは、当時、ケリー・バッグを担当していたという。
エルメスに特注した筆者のバーキンやケリー・バッグが彼の作品だったらと思うとわくわくする。
「クフ王」と名づけられたバッグは、エルメスでの修行に加え彼のオリジナリティを昇華させ、そのフォルムは神々しいくらいだ。
以下の画像はフォトギャラリーにて参照されたし。
クフ王 セルジュ・アモルソ / 革細工 2017年
参考
☆日本・モナコ友好10周年記念 「グレース・ケリー展」
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2017-02-22
次に、曜変天目の研究に人生を捧げているジャン・ジレル。
フランス人が曜変天目に取り組んでいたことは恥ずかしながら知らなかった。
その美しさには、東洋の我々もうならざるを得ない。
参考
☆藤田美術館の至宝 国宝曜変天目茶碗と日本の美
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2015-11-02
その他、数々の「芸術作品」が並ぶ。
眼鏡 I.M. ペイ(復刻) クリスティアン ・ボネ / 鼈甲細工 2017年 ©JYLSC
グラス チューリップ ロラン・ダラスプ / 金銀細工 1992年
大森貝塚の発見者としてあまりにも有名なエドワード・モースの言葉、
「芸術家と工匠との間の区別は、 極めて僅かであるか、 或は全然無いかである」
を彼らに贈りたい。
主にフランスで活躍した建築家ル・コルビュジエが、「諸芸術の綜合」を訴えたことは近年あらためて注目されている。
全世界レベルで見ると、人間国宝の制度すらないところも多いので、この展覧会を通じて、人間国宝を保護し、芸術を高めていくことを日仏がリーダーになって推進して行く起爆剤になっていただきたい。
☆展示構成
第1室 陶器
第2室 鼈甲細工、革細工、金銀細工
第3室 麦わら象嵌細工、壁紙、真鍮細工
第4室 傘、扇
第5室 折り布
第6室 銅板彫刻、紋章彫刻、エンボス加工(ゴフラージュ)
第7室 羽根細工
第8室 ガラス
会 期 開催中~11月26日(日)
会 場 東京国立博物館 表慶館(上野公園)
開館時間 9:30~17:00(入館は閉館の30分前まで)
(ただし、金曜・土曜は21:00まで開館。
休館日 月曜日
観覧料金
一般1400円(1100円)、大学生1000円(700円)、高校生600円(300円)
中学生以下無料
* ( )内は20名以上の団体料金
* 障がい者とその介護者一名は無料。入館の際に障がい者手帳などをご提示のこと。
* 「東京・ミュージアムぐるっとパス」で、当日券一般1400円を1300円(100円割引)。正門チケット売場(窓口)にて。
* 東京国立博物館キャンパスメンバーズ会員の学生の方は、当日券を800円(200円割引)
正門チケット売場(窓口)にて、キャンパスメンバーズ会員の学生であることを申し出、学生証をご提示のこと。
主 催 東京国立博物館、NHKプロモーション、朝日新聞社、HEART & crafts
後 援 フランス文化省、在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
メセナ ベタンクールシュエーラー財団
協 賛 ヴァン クリーフ&アーペル、三井住友銀行
協 力 フランス国立工芸研究所、
全日本空輸、竹尾、ピエール・エルメ・パリ、J-WAVE、Redactik、Loupi
キュレーター エレーヌ・ケルマシュテール
空間デザイン リナ・ゴットメ
テクニカルデザインサポート ヤツシャハルアーキテクツ
テクニカルアドバイザー 吉野弘建築設計事務所
お問合せ 03-5777-8600 (ハローダイヤル)
☆東京国立博物館サイト
http://www.tnm.jp/
☆展覧会公式サイト
http://www.fr-treasures.jp/
☆読者プレゼント
5組10名様にご招待券 プレゼント
あて先 : loewy@jg8.so-net.ne.jp に
件名:展覧会名と会場名
本文:ご住所、お名前
をお書きの上どしどしご応募下さい。
締切:http://art-news-jp.jimdo.comにてUPした日の午前零時
発送をもって当選と代えさせていただきます。
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