技を極める―
ヴァン クリーフ&アーペル
ハイジュエリーと日本の工芸
Mastery of an Art:
Van Cleef & Arpels – High Jewelry and Japanese Crafts
日本とフランスの「技」に注目をし、「技を極める」あるいは極められた技によって生み出された美しい作品を両国の文化とともに鑑賞していただこうとする試みの展覧会が、京都国立近代美術館で開催中だ。
以下の画像はフォトギャラリーにて参照されたし。
《ヴァルナ ヨットのミニチュア》 ヴァン クリーフ&アーペル コレクション 1907年頃 ゴールド、シルバー、ジャスパー、木材、エナメル Patrick Gries © Van Cleef & Arpels
ヴァン クリーフ&アーペル(Van Cleef & Arpels )は、フランスはもちろん世界で高く評価されているハイジュエリーメゾンだ。
《パンピーユ イヤリング》 ヴァン クリーフ&アーペル コレクション 1923年 プラチナ、エメラルド、ダイヤモンド Patrick Gries © Van Cleef & Arpels
《バード クリップ》 ヴァン クリーフ&アーペル コレクション 1924年 プラチナ、エメラルド、サファイア、ルビー、オニキス、ダイヤモンド Patrick Gries © Van Cleef & Arpels
ショーメ、ブシュロン、メレリオ・ディ・メレー(フランス語版)モーブッサンと共に「パリ5大宝飾店」や「フランス高級宝飾店協会」などとも呼ばれるグランサンク(仏: Les Grand Cinq)に数えられる。
これは、パリのヴァンドーム広場(Place Vendôme)とラペー通り(Rue de la Paix)に店舗を構える高級ジュエリーブランドの協会の呼称だ。
なかでもヴァン クリーフ&アーペルは、抜群の知名度を誇る。
19世紀初頭、ヴァンドーム広場22番地に創立され、1933年には、宝石を支える爪が表面から見えないようにセッティングする「ミステリー・セッティング」を特許取得するなど、美と技術を併せ持つハイ・ブランドだ。
《フローティング リボン クリップ》 ヴァン クリーフ&アーペル コレクション 1937年 プラチナ、ダイヤモンド Patrick Gries © Van Cleef & Arpels
《ダンスーズ エスパニョール クリップ》 ヴァン クリーフ&アーペル コレクション 1941年 プラチナ、ゴールド、ルビー、エメラルド、ダイヤモンド Patrick Gries © Van Cleef & Arpels
《3羽の鳥のクリップ》 ヴァン クリーフ&アーペル コレクション 1946年 ゴールド、プラチナ、サファイア、ルビー、ダイヤモンド Patrick Gries © Van Cleef & Arpels
この展覧会では、ヴァン クリーフ&アーペル創立から現代に至るまでの歴史的展開の中でのジュエリー作品の流れを概観できるような構成になっている。
《ジップネックレス》 ヴァン クリーフ&アーペル コレクション 1954年 ゴールド、プラチナ、ルビー、ダイヤモンド Patrick Gries © Van Cleef & Arpels
《フューシャ クリップ》 ヴァン クリーフ&アーペル コレクション 1968年 プラチナ、ゴールド、ミステリーセッティング ルビー、ダイヤモンド Patrick Gries © Van Cleef & Arpels
《バードクリップとペンダント》 ヴァン クリーフ&アーペル コレクション 1971-1972年 ゴールド、エメラルド、サファイア、イエロー&ホワイトダイヤモンド、ブリオレットカットイエローダイヤモンド Patrick Gries © Van Cleef & Arpels
《バルカロール チョーカー》 ヴァン クリーフ&アーペル コレクション 1971年 ゴールド、エメラルド、ダイヤモンド Anthony Falcone © Van Cleef & Arpels
特にこの展覧会で興味深いことは、単なる宝石の展示に終わっていないところ。
日本の明治に制作された超絶技巧作品との対比をうまく提示し、このヴァン クリーフ&アーペル製のハイジュエリーの技を理解できるようになっているのだ。
安藤緑山 《柿》 京都国立近代美術館蔵 大正-昭和初期 象牙彫刻、着色 撮影:木村羊一
四代長谷川美山 《京都名所図透彫飾壺》 京都国立近代美術館蔵 明治-大正時代 陶器、色絵金彩上絵付け 撮影:木村羊一
並河靖之 《蝶に花丸唐草文飾壺》 京都国立近代美術館蔵 明治時代 有線七宝 撮影:江崎義一
《二枚の葉のクリップ》 ヴァン クリーフ&アーペル コレクション ヴァン クリーフ&アーペル蔵 1967年撮影:江崎義一
服部峻昇 《玉虫香合 桐文》 2014年 プラチナ、ゴールド、ミステリーセッティング エメラルド、ダイヤモンド
木、玉虫、蒔絵 撮影:江崎義一
森口邦彦 《友禅訪問着 雪明り》 京都国立近代美術館蔵 昭和44年 絹、友禅染 撮影:小西晴美
並河靖之 《藤図花瓶》 京都国立近代美術館蔵 明治時代 有線七宝 撮影:木村羊一
《藤に孔雀図壁掛》 京都国立近代美術館蔵 明治38年頃 刺繍 撮影:木村羊一
これまでの歴史という過去を振り返り、現在からさらに未来をも見据える。
文化の融合という日本とフランスの現代における技の饗宴が見もの。
大森貝塚の発見者としてあまりにも有名なエドワード・モース。
彼の言葉をこの展覧会に捧げたい。
「芸術家と工匠との間の区別は、 極めて僅かであるか、 或は全然無いかである」
☆参考 「江戸東京博物館開館20周年記念特別展 明治のこころ モースが見た庶民のくらし」
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2013-11-28
芸術とは、工芸とは、そして人類とは何かと語ってくれる展覧会だ。
お見逃しなく。
会期
2017年4月29日(土・祝)~8月6日(日)
開館時間
午前9時30分~午後5時
(入館は午後4時30分まで)
7月1日(土)~8月5日(土)の金曜日、土曜日は午後9時まで開館
*入館は各閉館時間の30分前まで
主催
京都国立近代美術館
日本経済新聞社
京都新聞
後援
在日フランス大使館
アンスティチュ・フランセ日本
特別協力
ヴァン クリーフ&アーペル
休館日
毎週月曜日
観覧料
当日 団体(20名以上) 円
一 般 1,500 1,300
大学生 1,100 900
高校生 600 400
中学生以下は無料
※本料金でコレクション展も鑑賞可。
※心身に障がいのある方と付添者1名は無料。
(入館の際に証明できるものをご提示のこと)。
☆京都国立近代美術館 ホームページ
☆特設サイト
☆ヴァン クリーフ&アーペル(Van Cleef & Arpels)
☆読者プレゼント
5組10名様にご招待券 プレゼント
あて先 : loewy@jg8.so-net.ne.jp に
件名:展覧会名と会場名
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