大阪舞洲ゆり園
250万輪のゆり
海とゆりの競演
撮影 浦 典子
海とゆりの競演をコンセプトに、大阪湾を臨む最高のロケーションに250万輪のゆりが咲き誇る大阪府大阪市此花区にある大阪舞洲(まいしま)ゆり園。
今年で5年目を迎え、大阪の初夏の風物詩になりつつある。
美女を表わすことばに「立てば芍薬、坐れば牡丹、歩く姿は百合の花」がある。
ゆりは、キリスト教において白いゆり(マドンナリリー)の花が純潔の象徴として用いられ、そして聖母マリアの象徴として絵画に描かれる。
特に天使ガブリエルが受胎告知を行なう絵画では、ほとんどの作品においてゆりの花が描かれ、描かれていない方が珍しいくらいだ。
歴代のフランス国王の紋章は、フルール・ド・リス(Fleur-de-lis)と呼ばれ、意匠化されたゆりの花(アイリスの花という説もあるが・・・)であり、青地に金で描かれる。
また、琳派の酒井抱一の代表的作品の『風雨草花図(ふううそうかず)』(通称『夏秋草図屏風(なつあきくさずびょうぶ)』)(重要文化財 東京国立博物館蔵)の右隻(うせき)にゆりが描かれている。
夏目漱石の小説「それから」(1909年)には以下のように書かれている。
「代助は、百合の花を眺めながら、部屋を掩(おお)ふ強い香の中に、残りなく自己を放擲(ほうてき)した。」
このようにゆりは多くの芸術にさまざまな形で表現されているのだ。
この大阪舞洲ゆり園では、約5万平方メートルで甲子園球場の約1.5個分という広大な敷地がゆりでいっぱい。
入口からもう爽やかな香りが香って来る。
ジグザグゾーン、オレンジエリア、イエローエリア、ピンクエリア、ボーダーエリアとゆりの絨毯は圧巻だ。
振り返ってみると大阪市建設局下水道河川部が管轄する下水汚泥処理施設、大阪市舞洲スラッジセンターの煙突が見える。
オーストリア人建築家・フンデルトヴァッサー(Friedensreich Regentag Dunkelbunt Hundertwasser)による独特なデザインだ。
大阪市・八尾市・松原市環境施設組合舞洲工場もキッズプラザ大阪の「こどもの街」(大阪市北区、1997年)も彼の設計だ。
オーストリアのウィーンでフンデルトヴァッサー・ハウス(Hundertwasserhaus)やシュピッテラウ焼却場を筆者は訪れたことがある。
しかし、今回、初めて大阪の彼の作品を拝見した。大阪に住んでいながらだ。
建設費やデザイン料が高すぎるなど物議を醸し出した。ちょうど大阪が五輪招致をめざしていた時期だ。
しかし、筆者は、フンデルトヴァッサーの作品が大阪に位置するのは大変名誉なことだとずっと考えている。
今や、多くの人が訪れ、ゴミ処理や工場への関心を持ってもらう良い機会が生まれている。
外国人の訪問が多い、大阪名所だ。
大阪の役所のかたが、よく決断してくれたと思う。彼がデザインしたゴミの焼却工場は世界にウィーンと大阪の二つだけだからだ。
価値のわからない人は、ウィーンに行ってみるといい。いかに人々にフンデルトヴァッサーが愛されていることがわかるだろう。
舞洲は、人工島。聞こえはいいが、ゴミの島。
しかし、大阪舞洲ゆり園は、人工的に植えているとはいえ、自然のゆりをうまく対比させ、そして融合させているといえよう。
広報担当の大木啓過(ひろよし)取締役営業本部長は、以下のように語った。
「もともとスキーなどを扱う冬場の会社なので、夏に行なうことを考えていた。皆さんに楽しんでいただくには何がいいかな、と思い、ゆりを試しに植えてみたら、花が咲いたので、ゆり園をしようと思った。大きな賭けだった。」
映画「花戦(はないく)さ」の公開を記念して、華道家元池坊の“イケメン”男性グループ「IKENOBOYS(イケノボーイズ)」によるライブパフォーマンスも開催された。
筆者の以下の記事を見て大阪舞洲ゆり園を訪れた読者から多くのメッセージをいただいている。
☆いけばなの根源 池坊展 旧七夕会池坊全国華道展
https://art-news-jp.jimdo.com/2016/11/09/いけばなの根源-池坊展-旧七夕会池坊全国華道展-華麗な日本のおもてなし-ここに咲く/
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2016-11-13
今年は開花時期が遅かったとのことで今が見ごろ。また、ゆりの香りが強い華麗なハイブリッド種品種は、これから咲くとのことなので、訪れるのなら、今だ。
ゆりの香りは、消化器官の働きを活発にするなど副交感神経に作用するようだ。
気分を上げてくれるような気がする。
高齢者向けの手押し車や車椅子を無料で貸してくれるサービスはうれしい。
広大な敷地をゆったり楽しめる。
ゆりが美しくなごめるのだが、ゆりだけではないことに気づいた。入口から出口までここに働いている一人一人が、元気でさわやかなのだ。
笑顔で接してくれ、また、お年寄りや小さなお子様などに優しく対応しているさまを見ているのは大変すがすがしい思いだ。
ゆり園を訪れる際、こんな観点からも見ていただきたい。
また、会場併設のグッズコーナーや軽食コーナーでは、オリジナルグッズやオリジナルメニューが。
中でも一番人気は、ゆり香るソフトクリーム、カサブランカ。
さわやかな甘みと香りで大変おいしい。
プロが撮影してくれ、カードにしてくれる無料でサービスもある。また、大きいサイズの写真は有料だが、プロはさすがの腕だ。うまくのせて、奇跡の一枚を撮ってくれる。
いい思い出になるだろう。
この季節にしか見ることが出来ないゆり。
ぜひ、お見逃しなく。
開催地
大阪舞洲ゆり園
〒554‐0042 大阪市此花区北港緑地2丁目
開催期間
2017年5月27日(土)~7月5日(水)
平日 9:00~17:00
一般入園料
大人(中学生以上)
1,200円
こども(4歳~小学生)
400円
学割(中~大学生)
1,000円
シニア(65歳以上)
1,000円
※学割は、学生証を窓口へご提示のこと。
※シニアの方は、年齢を証明できるもの(敬老優待乗車証 等)を窓口へご提示のこと。
団体料金(20名様以上)
大人(中学生以上)
1,000円
こども(4歳~小学生)
300円
障がい者料金
大人(中学生以上)
600円
こども(小学生まで)
無料
付き添い
障がい者1名につき一人600円(※二人目からは一般料金)
※障がい者の方は、障がい者手帳を窓口へご提示のこと。
☆WELCOME HAPPY BIRTHDAY!! お誕生日当日は無料ご招待!!
※入園の際に受付で免許証など身分証明書をご提示ください。
☆ユリさん大集合!! 名前に「ユリ」が付く方は期間中無料でご入場可。
※入園の際に受付で免許証など身分証明書をご提示のこと。
※ユリと連続で続くかたのみ!!
参考例 ○:ゆりえ、ゆりな、ゆりあなど
参考例 ☓:ゆかり、ゆみり、ゆとりなど
問合せ
大阪舞洲ゆり園 tel 0570-02-1187
☆URL
http://yurien.com/
☆読者プレゼント
10組20名様にご招待券と絵葉書5種類 プレゼント
あて先 : loewy@jg8.so-net.ne.jp に
件名:展覧会名と会場名
本文:ご住所、お名前
をお書きの上どしどしご応募下さい。
締切:http://art-news-jp.jimdo.comにてUPした日の午前零時
発送をもって当選と代えさせていただきます。
会期が短いため、速達などお届けに最善を尽くします。
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あて先 :loewy@jg8.so-net.ne.jp に
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