ふるさと知事ネットワーク(奈良・三重)美術館交流
書の源流企画展
榊莫山(さかきばくざん)と
紫舟(ししゅう)のシンフォニー(交響)
「寒山拾得」 1994年 三重県立美術館蔵
大和の仏像や自然との深い交流を創作へ結びつけた榊莫山(1926-2010)。
奈良の伝統工芸から学んだ美意識を基に世界で活躍する紫舟。
この書家二人の独創的な芸術世界を紹介する展覧会が、奈良県立美術館で開催中だ。
「莫山先生」と親しみを込めて呼ばれる榊莫山は、奈良の書家辻本史邑(つじもとしゆう)(1895-1957)に師事。
当時の主流であった中国の王羲之(おうぎし)から明・清へ至る洗練された書の規範に従うのではなく、より古い木簡・石碑の素朴で力強い書風を取り入れ、題材も古典的な漢詩文から現代詩や自作の文へ対象を移すなど、独自性・創造性を重視して様々な試みを行なった。
☆参考
王羲之については以下で記しているので参照されたし。
☆日中国交正常化40周年 東京国立博物館140周年 特別展「書聖 王羲之」
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2013-03-02
☆九州国立博物館 開館10周年記念特別展 美の国 日本 Japan, Country of Beauty
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2015-11-18
一方、紫舟は、書家としての第一歩を踏み出した奈良で筆・漆工・陶芸など伝統工芸の技術を学び、それにより養われた眼・感覚が以後の活動の基礎になっているという。
平面の書だけではなく、書の彫刻と光・影との融合、書と絵画との融合、デジタル技術との融合など書の可能性を広げ、国・文化の枠を超えた芸術として書に取り組んでいる。
この展覧会では、書の立体彫刻が展示され、書の2Dの世界から3Dの世界へのさらなる飛躍を堪能できる。
書は、元は中国から伝来したものであるが、日本独自の発展を遂げ、日本固有の文化である。
絵画に比べ地味な印象の書だが、今こそ「書」の時代だ。
この奈良の地で行われる展覧会で国際世界に向けて発信できるものと確信する。
お見逃しなく。
☆構成
〇榊莫山
序 代表作2点を展示
1. 書
漢詩から現代詩へ、さらには「土」などの漢字へと、榊莫山が「何を書くか」(主題)を模索し、また「どのように書くか」(表現)を追求した歩みをたどる。
・「観音(加藤千晴 詩)」 1951年 三重県立美術館蔵
・「芭蕉の山河(其 二)」 1985年 三重県立美術館蔵
2. 画と書(人物)
画と書および自作の言葉で表現した作品の内、理想的な境地に至った僧・詩人などを描いた人物画
3. 画と書(静物)
伊賀の自然の中で暮らした榊莫山が、日常の動植物を主題に作り出した珠玉の世界
「リンドウ」・「ザクロ」・「カニ」・「ヒノナ」など 三重県立美術館蔵
4. 画と書(風景)
榊莫山が親しんだ大和、故郷の伊賀などを画と書・自作の言葉で表した、詩情あふれる風景画
・「大和八景」(8面) 1984年 三重県立美術館蔵
・「伊賀八景」(8面) 1994年 三重県立美術館蔵
以下、フォトギャラリーへ
「室生寺ノ塔(大和八景)」 1984年 三重県立美術館蔵 後期(6/6-7/23)展示
5. 合作
前衛美術など同時代美術へ関心を向けた榊莫山が、画家との合作により生み出した作品
・「誰モヰナイ」 榊莫山書・元永定正画 1986年 三重県立美術館蔵
〇紫舟
紫舟芸術の過去・現在を代表し、未来を指し示す書、書の彫刻、書のキュビスム、書画を展示。
「おはようありがとうごめんなさい」(書の彫刻) 2010年 紫舟蔵
「天地開闢鶏図」(書画) 2015年 紫舟蔵
☆・美術講座
6月4日(日)14時-15時 レクチャールーム
「榊莫山の芸術について」 学芸係長 稲畑ルミ子
・学芸員によるギャラリートーク
・6月3日(土)・7月8日(土)
14時-15時 展示室
・ボランティアによる展示解説・書の体験コーナーなど
☆奈良の音楽祭「ムジークフェストなら2017」
6月17日(土) 音楽と映像で巡る奈良の四季
6月23日(金) ジョン・ウィリアムズの映画音楽
6月24日(土)、25日の珠玉の Jazz and Pops in 薬師寺
白鳳伽藍復興事業 食堂(じきどう)落慶記念コンサート
など聞き逃せない。
併せて奈良を楽しみたい。
2017年4月15日(土曜日)~7月23日(日曜日)
開館時間 午前9時から午後5時まで(入館は午後4時30分まで)
休館日 月曜日
※5月1日(月曜日)は開館
※奈良の音楽祭「ムジークフェストなら2017」(6月10日-25日)
期間中の月曜日(6月12日・19日)は開館
※7月17日(月・祝)開館、7月18日(火曜日)休館
禅(ZEN)関連企画展
開催場所
奈良県立美術館
お問合わせ先
0742-23-3968 (奈良県立美術館)
主催・会場 奈良県立美術館
後 援 NHK奈良放送局、奈良テレビ放送株式会社、株式会社奈良新聞社、西日本旅客鉄道株式会社、近畿日本鉄道株式会社、阪神電気鉄道株式会社、奈良交通株式会社、奈良県商工会議所連合会、奈良県商工会連合会、奈良県中小企業団体中央会、株式会社南都銀行、(一社)日本旅行業協会、(一社)全国旅行業協会、(一社)国際観光日本レストラン協会、(一財)奈良県ビジターズビュー
ロー、(公社)奈良市観光協会、奈良県旅館・ホテル生活衛生同業組合
料金
一般 400円(300円) 大・高生 250円(200円) 中・小生 150円(100円) ※( )内は20名以上の団体料金
☆奈良県立美術館URL
http://www.pref.nara.jp/11842.htm
☆読者プレゼント
10組20名様にご招待券 プレゼント
あて先 :loewy@jg8.so-net.ne.jp に
件名:展覧会名と会場名
本文:ご住所、お名前
をお書きの上どしどしご応募下さい。
締切:http://art-news-jp.jimdo.comにてUPした翌日の午前零時
発送をもって当選と代えさせていただきます。
☆ご意見・ご要望・ご感想のお願い
よりよいサイトづくりのため、読者の皆さまからのご意見を常時受け付けております。
あて先 :loewy@jg8.so-net.ne.jp に
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