デビュー30周年記念
武豊 展
~名馬と共に歩んだ30年~
撮影 浦 典子
デビュー以来、数々の記録を打ちたて、競馬界を牽引してきた武豊。
「史上初」「史上最年少」「史上最速」など数々の金字塔を打ち立て、名実ともに競馬界
に燦然と輝くスターだ。
そのデビュー30年を記念して、これまでの輝かしい軌跡と武豊の素顔に迫る展覧会が、阪急うめだ本店9階 阪急うめだギャラリーにおいて昨日の5/17(水)から始まった。
東京、京都、新潟、愛知、福岡と巡回し、好評を博して来た展覧会だ。
筆者は、福岡展について以下で記しているので参照されたし。
https://art-news-jp.jimdo.com/2017/01/08/デビュー30周年記念-武豊-展-名馬と共に歩んだ30年/
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2017-01-08
これまでの国内外での名場面レースをとらえた写真パネルや優勝カップ、愛用の馬具、騎乗服などの展示をはじめ、感動のレースシーンの映像や貴重なプライベート写真も公開。
この展覧会は、大阪では初めての開催で、ここ大阪でフィナーレを迎える。
2016年には、アメリカジョッキークラブカップ(AJCC)で初勝利を納め、新人時代から続く重賞勝利を30年連続に更新した武豊。
そして、2017年、武豊は、エアスピネルにて京都金杯を勝利。
この時点でデビューから続いている連続重賞勝利記録を31年に更新。
また、武豊はキタサンブラックにて大阪杯(G1)を圧勝した。
これ以上ない完璧なレース展開は、あざやかだ。
さらに、つい約2週間前の4月30日、キタサンブラックにて天皇賞(春)を勝利。
同レースでの勝利を8とした。これにより保田隆芳が天皇賞(秋)で達成した7勝を抜き、同一のJRA・GI競走での最多勝利記録を更新したばかり。
武豊のトークショーが5月17日(水) 午後3時30分~4時 阪急うめだ本店 9階祝祭広場にて行われた。参加には事前の予約が必要だが、300名の定員は満席で立ち見も多数出るほどの盛況ぶり。
ところどころ関西弁を交えながら、カラオケが得意といった意外な一面を見せつつ、なごやかに多くの人を惹きつけた。
「今、世界でキタサンブラックより強い馬はいないのではないでしょうか。次は40周年、好きな仕事なのでずっと乗っていたいと思います。引退後は、調教師の弟の後輩にはなりたくないですね。」
と観客を笑わせながら面白く語った。
終演後、振り返って観客の拍手や声援に応えるなどファンサービスにも長けていた。
サイン入り写真集お渡し&握手会が5月17日(水) 午後4時20分~4時40分(約20分)
阪急うめだ本店 阪急うめだホール にて定員200名様 で行われた。
また、囲み取材にも応じてくれ、報道陣への気づかいもたっぷり。
「ファンのかたがたがあって競馬は成り立っている。自分の中では、ファンへの思いが一番強い。この展覧会を開催できて、この一年大変いい経験をさせていただいた。まだまだがんばらないという気持ちでいっぱいです。競馬場以外でもファンと触れ合えることや応援していただけることを増やしたい。ライバルは、武豊。好きな仕事なのでとことんやりたい。」
と語った。
2001年、香港のシャティン(沙田)競馬場で行われた香港ヴァーズ(ホンコンヴァーズ、香港瓶、Hong Kong Vase)の際、筆者は、香港ジョッキークラブのお招きで武豊の疾走を取材させていただいたことがある。
筆者にとっては生まれて初めて訪れた競馬場で初観戦だった。
☆The Hong Kong Jockey Club
http://www.hkjc.com/home/english/index.asp
香港においても、武豊の人気は高く、日本人の筆者を見つけると、現地の人が、「武豊、武豊。」と気軽に声をかけて来たことが印象深かった。
香港のクルスマスツリーの点灯式に招かれた時に紹介された香港ジョッキークラブの広報担当者は、「武豊が出場するから、必ず来て下さい。」と、筆者のホテルの部屋にまで電話をかけて来てくれたほどだ。
そして、競馬場ではわざわざ出迎えてくれ、記者席や馬主席に案内してくれた。
広報担当者は、武豊が騎乗することを誇らしげに話してくれたことが印象的だった。
当時7歳の日本のステイゴールドが優勝し、その引退レースでG1初優勝を遂げるという「ドラマティックな歴史を作ってくれた。これは同レース最高齢優勝記録になっている。
注目度は高く、日本からの記者は、5~6社取材に来ていたが、大半は香港と海外の報道関係者であった。
また、ウエイターが食事やデザートをわざわざ筆者のテーブルに持って来てくれるなど、初めて競馬場に伺った筆者を温かく迎えてくれたのだ。
そこでいただいたマンゴープリンはなめらかで今まで食べた中で一番おいしかったことを覚えている。
日本から来た筆者をもてなしてくれるのは、武豊をはじめ、日本の競馬界が伝統ある世界の競馬界に挑戦し、その実績が高く評価されているからだ。
武豊が優勝した時、競馬場が大きな祝福の渦に巻き込まれたわけではなかった。残念ながら・・・。
しかも、武豊は、レース後の記者会見には呼ばれなかった。今なら、筆者はなぜ武豊を呼ばないのだと聞くかもしれない。
武豊はもちろん人気があるのだが、香港競馬場においては、まだまだ「アウエイ」なのだ。
海外では、そんな辛い状況で武豊が戦っていることを筆者は、皆さんに知っていただきたいと思う。
なお、香港ヴァーズでは、今日まで日本人騎手は武豊以外、優勝していない。
2017年10月1日に開催される凱旋門賞(仏・G1)(The Qatar Prix de l' Arc de Triomphe)に日本馬5頭が登録するという。
第85回凱旋門賞には、武豊はディープインパクトに騎乗したが、大変残念な結果に終わった。
日本ではあまり、報道されていなかったが、日本人が全入場者の約1割を占める6,000人もの数の入場者で占められていたという。
しかし日本人が競馬場開門と同時にスタンドにめがけて走ったことやレーシングプログラムを取るため配布場所に押し寄せたとされ、日本人のマナーの悪さが物議をかもし出した。
海外では競馬場は社交場で、一攫千金を求めるものでは決してない。
馬術も美術の「術」という漢字を使う。
九州の展覧会で記事を書いてから、筆者はアートニューズにふさわしい記事にしたいと考えて来た。
競馬もバレエや演劇などと同じパフォーマンスと考えるようになった。
武豊のたたずまいや行動から、日本の競馬を公営ギャンブルからもっと高尚なものに高めたいと考えているように筆者は感じる。
ただでさえ、海外の伝統ある競馬界は保守的だ。誰からも何も言わせない環境は整えなければ・・・。
アウエイの空気は勝てるものも勝てなくしてしまう。
我々ができることは、いい意味で紳士淑女の場として競馬場を捉える環境であり教育であろう。
賭け事だけに固執するのではなく、「お馬さん、がんばれ!お馬さん、きれい!」でもいいのではないか。
馬は、多くの絵画の題材にもなっている。この展覧会では、木梨憲武の作品なども展示されている。
☆参考 木梨憲武展×20years
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2014-11-02
ルーヴル美術館所蔵のフランスロマン主義の先駆者テオドール・ジェリコー(Théodore Géricault)ーの代表作『エプソムの競馬』(Derby d'Epsom)やボストン美術館所蔵のエドガー・ドガ( Edgar Degas)『ロンシャンの競馬』(Les Courses à Longchamp)。
大変印象的な絵画だ。
武豊は、そのデビュー30周年を記念して、キズナという名馬と、江戸時代よりおよそ400年以上にわたり伝統技術を継承する職人たちとのコラボレーションとして、浮世絵になった。
日本有数の職人の手により漉かれた和紙、彫り、摺り、製造過程はすべてが伝統技術を極限まで高めた職人たちが手作業で行い、一枚ずつ丁寧に仕上げたという。
世界的にも高い評価を得ている日本の貴重な文化遺産である浮世絵。
武豊は、その人気もさることながら、文化の一部となりつつあるのであろう。
http://t.pia.jp/feature/memorialgoods/ukiyoe/take/index.jsp?utm_source=takeyutakaofficialsite&utm_medium=link&utm_campaign=takeyutaka30th
筆者の質問に対し、武豊は以下のように答えてくれた。
Q 海外でも武豊さんの人気は高いですが、今後海外はどのようにお考えでしょうか。
A どんどん、海外に出て来たいですね。また、武豊展を海外で行ないたいです。
Q シャンティイなどはいかがでしょうか。
A いいですね。ぜひ。
ちなみにシャンティイにはコンデ美術館や馬の博物館などもある。
いつの日か、フランスの美術館で武豊展が開かれるようになることは決して夢ではない。
競馬は筆者には、まだまだわからない。しかし、30年もの長い間、現役のジョッキーを務め続けることの苦労と節制の努力は、充分「芸術」に域に達していると強く思えるのだ。
香港でそしてこの阪急で武豊を間近に見た筆者には、その所作の美しさが目に焼き付いて離れない。
武豊は、この30年間、いつのときも時代の象徴であり、人々の夢を背負い続けた。
その活躍と生き方は、今もなお、同時代を生きる人々にも大きな感動と示唆を与えて来ている。
競馬ファンはもちろん、人間、武豊がいかに切磋琢磨して来たか、その生き方にもぜひ注目していただきたい。
2017年になってから獲得したトロフィーやメダルはこの大阪会場のみの展示。
他会場でこの展覧会を鑑賞したかたもぜひ、お見逃しなく。
また、会場併設のグッズコーナーでは、写真集、DVD、武豊オリジナルグッズなども。
☆武豊(たけ ゆたか) プロフィール
1969年(昭和44年)生まれ。京都府出身。1987年(昭和62年)騎手デビュー。1988年(昭和63年)菊花賞でG1初制覇。史上最速・最年少での通算勝利記録、日本人騎手初の海外G1制覇、年間200勝突破など数々の金字塔を打ち立てた。日本競馬界における最高峰のレースとされる東京優駿〈日本ダービー〉では5勝を挙げており、歴代騎手の中でも最多を誇る。オグリキャップ、ディープインパクト、キズナなど誰もが知る名馬たちと共にあらゆる伝説を打ち立て、今もって日本競馬界の頂点で活躍を続ける。
会期:2017/5/17(水)〜2017/5/22(月)
会場:阪急うめだ本店9階 阪急うめだギャラリー
住所:大阪府大阪市北区角田町8-7
時間
日〜木曜日:午前10時~午後8時
金・土曜日:午前10時~午後9時
※閉場30分前までにご入場のこと。
※催し最終日は午後6時閉場
※会期中無休
入場料
一般 800円(税込)
大学・高校生 600円(税込)
中学生以下 無料
※阪急阪神お得意様カード・ペルソナカード・エメラルドSTACIAカードのご提示で、ご本人様に限り入場料から100円割引
主催
阪急うめだ本店
デビュー30周年記念武豊展実行委員会
特別協力
(有)テイク
協賛
富士フイルムイメージングシステムズ(株)
アウディジャパン(株)
協力
JRA日本中央競馬会
(株)中央競馬ピーアール・センター
(株)サンライズプロ
エピックレコードジャパン
(株)インターナショナルスポーツマーケティング
企画制作
imura art planning
問合せ
阪急うめだ本店
電話(06)6361-1381
☆大阪特別企画 5/22 終了
「武豊騎手直筆サイン入り展示写真パネル チャリティー抽選販売会」を実施。
これまで全国6都市を巡った武豊展展示写真パネルに、本人直筆サインを入れてチャリティー抽選販売。
最終会場、阪急うめだ本店のみの特別企画。販売価格の25%を熊本地震支援として、一般財団法人H2Oサンタを通じて熊本県社会福祉協議会に寄付するもの。
※一般財団法人H2OサンタはH2Oリテイリンググループの 社会貢献団体。
応募期間
5月17日(水)~22日(月)
※最終日は午後6時締切
販売点数 58点
販売価格 各50,000円
応募方法
※販売方法などの詳細は、阪急うめだ本店ホームページにて。
イベント詳細
http://www.hankyudept.co.jp/hkblog/saijiservice/EventShop1/00528140/?catCode=301011&subCode=302033
☆阪急うめだ本店
http://www.hankyu-dept.co.jp/honten/event/index.html/
☆武豊 オフィシャルサイト
http://www.yutaka-take.com/special/debut30th
☆読者プレゼント
10組20名様にご招待券 プレゼント
あて先 : loewy@jg8.so-net.ne.jp に
件名:展覧会名と会場名
本文:ご住所、お名前
をお書きの上どしどしご応募下さい。
締切:http://art-news-jp.jimdo.comにてUPした日の午前零時
発送をもって当選と代えさせていただきます。
会期が短いため、速達などお届けに最善を尽くします。
☆ご意見・ご要望・ご感想のお願い
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あて先 :loewy@jg8.so-net.ne.jp に
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