☆展覧会の構成
フィンランド独立100周年記念
フィンランド・デザイン展
100th Anniversary of Finland’s Independence Finnish Design2017
椅子《パピー》エーロ・アールニオ/2003年個人蔵© Eero Aarnio
愛知県美術館において開催されているフィンランド・デザイン展。
以下で記しているので参照されたし。
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2017-05-12
この展覧会の構成についてだが、章立が変更され、6章立てになっている。
大変興味深い展覧会なので以下に記す。
☆構成
第1章 フィンランド独立以前の装飾芸術
装飾芸術品や建築(映像)によってフィンランド・デザインが生まれるまでを紹介。
独立以前の生活スタイルを感じてもらうことも含め、19世紀末から20世紀初頭にかけて制作された陶器やガラス、家具、テキスタイルなどの装飾芸術品の他、当時の室内スケッチを展示するとともに、フィンランドを代表する建築家エリエル・サーリネンが設計した1900年のパリ万博フィンランド展示館などを紹介。
第2章 フィンランド・デザインの“礎”
フィンランド・デザインを語る上で避ける事の出来ない、デザインの発展期としての“礎”となったデザイナーと企業ブランドを紹介。
カイ・フランクと陶器やガラス製品で有名な『ARABIA』(アラビア)『iittala』(イッタラ)、マイヤ・イソラとファッションをはじめ、バッグ・アクセサリー、室内装飾といった分野で独自のデザインを発信するライフスタイルブランド『Marimekko』(マリメッコ)。
そして、世界的建築家で都市計画家でもあるアルヴァ・アアルトと家具や照明などを製作する『Artek』(アルテック)。デザイナーが作り、デザイナーを支え育てた、フィンランドを代表する各企業ブランドとそれらの作品を展示。
紹介作家
アルヴァ・アアルト Alvar Aalto(1898-1976)
カイ・フランク Kaj Franck(1911-1989)
マイヤ・イソラ Maija Isola(1927-2011)
第3章 フィンランド・デザインの“完成”
“礎”の次世代として、いわばフィンランド・デザインを“完成”させたデザイナーを紹介。
ティモ・サルパネヴァのガラス作品、タピオ・ウィルカラのガラスや陶器、イルマリ・タピオヴァーラの家具、ライヤ・ウオシッキネンをはじめとするデザイナーの陶器など、これまでのフィンランド・デザイナーたちや企業が築いてきたデザイン・ブランドの基盤を、昇華・発展させ、素材の良さをより引き出して具現化してきた彼らの優れた作品の数々を展示。
紹介作家
イルマリ・タピオヴァーラ Ilmari Tapiovaara(1914-1999)
タピオ・ウィルカラ Tapio Wirkkala(1915-1985)
ティモ・サルパネヴァ Timo Sarpaneva(1926-2006)
ライヤ・ウオシッキネン Raija Uosikkinen(1923-2004)
第4章 フィンランド・デザインの“異才たち”
独自の道を歩んで実績を残してきたフィンランド・デザイナーの作品を紹介。
フィンランドの国民的キャラクター「ムーミン」の生みの親であるトーベ・ヤンソンの書籍やスケッチ、今なお現役で活躍を続ける、服飾デザイナーのヴォッコ・エスコリン-ヌルメスニエミのドレスやテキスタイル・パターン、斬新で、時に愛らしい家具や照明をデザインするエーロ・アールニオ、身近な自然を題材としたポスターを作り続けるエリック・ブルーン。
デザインすることを自身の生活に取り込み、楽しむことを人生の基本としたデザイナーの作品を展示。
紹介作家
トーベ・ヤンソン Tove Jansson(1914-2001)
エリック・ブルーン Erik Bruun(1926-)
ヴォッコ・エスコリン-ヌルメスニエミ Vokko Eskolin-Nurmesniemi(1930-)
エーロ・アールニオ Eero Aarnio(1932-)
第5章 フィンランド・デザインの“飛躍”
戦後から現在まで、企業と関わりながら飛躍し続けるデザイナーの作品を紹介。
日本人としてフィンランドで活躍する石本藤雄の陶製レリーフやテキスタイル・パターン、愛くるしい鳥のガラスオブジェなどを制作するオイバ・トイッカ、シンプルな中にも温かみを感じるガラスや陶器をデザインするヘイッキ・オルボラ、トーベ・ヤンソンのオリジナル作画をベースにムーミンの世界を忠実に表現した「ムーミン マグカップ」をデザインするトーベ・スロッテの作品を展示。
紹介作家
石本藤雄 Fujiwo Ishimoto(1941-)、オイバ・トイッカ Oiva Toikka(1931-)、
ヘイッキ・オルボラ Heikki Orvola(1943-)、トーベ・スロッテ Tove Slotte(1957-)
第6章 フィンランド・デザインの“いま”
本章では、現在フィンランドで最も注目される二人のデザイナーの作品を紹介。
1998年にイタリア・ミラノで発表された「ブロック・ランプ」がニューヨーク近代美術館に収蔵
されるなど、いまや世界的に活躍するハッリ・コスキネンの家具や食器、テキスタイルの他、
フィンランドで活躍するセラミックアーティストでもあるヘイニ・リータフフタの、花柄をあしらった食器や様々な色のパターンを活かした陶製レリーフなどを展示。
紹介作家
ハッリ・コスキネン Harri Koskinen(1970-)、ヘイニ・リータフフタ Heini Riitahuhta(1975-)