ダリ展 Salvador Dalí
10月31日、入場者数20万人を突破!
画像提供: ダリ展
サルバドール・ダリ 《謎めいた要素のある風景》 1934 年、72.8×59.5cm、板に油彩、ガラ=サルバドール・ダリ財団蔵
Collection of the Fundació Gala-Salvador Dalí, Figueres
© Salvador Dalí, Fundació Gala-Salvador Dalí, JASPAR, Japan, 2016.
© X. Miserachs/Fundació Gala-Salvador Dalí, Figueres, 2016.
Image Rights of Salvador Dalí reserved. Fundació Gala-Salvador Dalí, Figueres, 2016.
日本では約10年ぶりとなるサルバドール・ダリ(1904年-89年)の本格的な回顧展が、国立新美術館で開催中だ。
スペインに生まれたダリは、1929年に彗星のようにパリの美術界に登場し、シュルレアリスムを代表する画家として活躍。
その後、アメリカに進出し、大きな成功と人気を獲得した。
ダリは、もっとも有名でかつ重要な20世紀の芸術家の一人だ。
この展覧会では、以下の三美術館のダリ・コレクションの作品群を中心として、さらに国内所蔵の重要作品を加えて約250点を展示。
ガラ=サルバドール・ダリ財団(スペイン フィゲラス) La Fundació Gala-Salvador Dalí
サルバドール・ダリ美術館(アメリカ合衆国 フロリダ州セントピーターズバーグ) The Salvador Dalí Museum
国立ソフィア王妃芸術センター(スペイン マドリード) Museo Nacional Centro de Arte Reina Sofía
これらの美術館は世界有数のダリ・コレクションを誇るだけに約250点もの作品を集めたこの展覧会の重要さは計り知れない。
しかも、三館の作品が一堂に会するのは、初めての機会だ。
日本の美術館からは、福岡市美術館所蔵の《ポルト・リガトの聖母》(1950年作)が見逃せない。しかも東京会場のみ展示されるのだ。
筆者は、何度も福岡市美術館の展覧会について記しているが、その所蔵の豊かさ、面白い企画展には頭が下がる思いだ。
サルバドール・ダリ 《ポルト・リガトの聖母》 1950 年、275.3×209.8cm、カンヴァスに油彩、福岡市美術館蔵
© Salvador Dalí, Fundació Gala-Salvador Dalí, JASPAR, Japan, 2016.
*東京会場のみ展示
☆ガラ=サルバドール・ダリ財団(フィゲラス)
ダリ自身の意向で、プボル城内に1983年に設立。
しかし翌年の火災により、フィゲラスのダリ劇場美術館(1974年開館)内に移転。
ダリの研究、作品の保存修復、著作権の管理などを行うとともに、劇場美術館、宝石美術館、プボル城、ポルト・リガトにある旧居を管理・運営している。
ダリがデザインした劇場美術館は、作品でも多く用いられる卵やパンのモティーフで飾られた奇抜な建物で、世界中から訪れるファンを魅了してやまない。
http://www.salvador-dali.org/en_index
☆サルバドール・ダリ美術館(フロリダ州セントピーターズバーグ)
生前のダリとも親交があった実業家レイノルズ・モース、エレノア・モース夫妻のコレクションをもとに1971年、アメリカ・オハイオ州クリーブランドに開館。1982年にフロリダ州セントピーターズバーグに移転した。
油彩96点を含め、素描、書籍、印刷物、立体、写真や原稿など、ダリが手がけた2,000点以上を所蔵。現在の建物は2011年完成。
http://thedali.org
☆国立ソフィア王妃芸術センター(マドリード)
スペイン・マドリードに1990年に開館した国立美術館。
ダリのほか、ピカソ、ミロ、マグリット、リヒターなど、19世紀後半から今日に至るまでの近現代美術を中心に、所蔵作品は約2万点にのぼる。 ピカソの代表作《ゲルニカ》は常設展示されていることでも有名。美術館の拡張にともない、2005年にジャン・ヌーベルが設計した新しい建物がオープンした。
http://www.museoreinasofia.es/en
さらにダリは、映画や演劇、ファッションなどの異分野へも積極的に参画して、ウォルト・ディズニーやエルザ・スキャパレリなどとコラボレーションを行い、どんどん作品を発表して行ったことなどダリの軌跡をたどる展覧会なのだ。
ダリの代名詞ともいえるシュルレアリスムなど20世紀の芸術の歴史を鑑みることのできる大変意義深い展覧会だ。
日本においては、約10年ぶり かつ過去最大規模の展覧会。
サルバドール・ダリ 《奇妙なものたち》 1935 年頃、40.5×50.0 cm、板に油彩、コラージュ、ガラ=サルバドール・ダリ財団蔵
Collection of the Fundació Gala-Salvador Dalí, Figueres
© Salvador Dalí, Fundació Gala-Salvador Dalí, JASPAR, Japan, 2016.
サルバドール・ダリ 《子ども、女への壮大な記念碑》 1929 年、140.0×81.0cm、カンヴァスに油彩、コラージュ、国立ソフィア王妃芸術センター蔵
Collection of the Museo Nacional Centro de Arte Reina Sofía, Madrid
© Salvador Dalí, Fundació Gala-Salvador Dalí, JASPAR, Japan, 2016.
サルバドール・ダリ 《ウラニウムと原子による憂鬱な牧歌》 1945 年、66.5×86.5cm、カンヴァスに油彩、国立ソフィア王妃芸術センター蔵
Collection of the Museo Nacional Centro de Arte Reina Sofía, Madrid
© Salvador Dalí, Fundació Gala-Salvador Dalí, JASPAR, Japan, 2016.
サルバドール・ダリ 《炸裂する柔らかい時計》 1954 年、12.7×17.1cm、紙にインク、鉛筆、サルバドール・ダリ美術館蔵
Collection of the Salvador Dalí Museum, St. Petersburg, Florida
Worldwide rights: © Salvador Dalí, Fundació Gala-Salvador Dalí, JASPAR, Japan, 2016.
In the USA: ©Salvador Dalí Museum Inc. St. Petersburg, Florida, 2016.
サルバドール・ダリ 《狂えるトリスタン》 1938 年、45.7×54.9 cm、板に油彩、サルバドール・ダリ美術館蔵
Collection of the Salvador Dalí Museum, St. Petersburg, Florida
Worldwide rights: © Salvador Dalí, Fundació Gala-Salvador Dalí, JASPAR, Japan, 2016.
In the USA: ©Salvador Dalí Museum Inc. St. Petersburg, Florida, 2016.
サルバドール・ダリ 《テトゥアンの大会戦》 1962 年、304.0×396.0 cm、カンヴァスに油彩、諸橋近代美術館蔵
© Salvador Dalí, Fundació Gala-Salvador Dalí, JASPAR, Japan, 2016.
*東京会場のみ展示
サルバドール・ダリ 《記憶の固執(ピン)》 1949 年、7.0×6.0×1.5cm、金、ダイヤモンド、サルバドール・ダリ美術館蔵
Collection of the Salvador Dalí Museum, St. Petersburg, Florida
Worldwide rights: © Salvador Dalí, Fundació Gala-Salvador Dalí, JASPAR, Japan, 2016.
In the USA: ©Salvador Dalí Museum Inc. St. Petersburg, Florida, 2016.
奇しくも、ドイツのハンブルク市立美術館 (Hamburger Kunsthalle)では、
「Dalí, Ernst, Miró, Magritte ...Surreal Encounters from the Collections Roland Penrose, Edward James, Gabrielle Keiller, Ulla and Heiner Pietzsch」
が、開催中だ。 (07. Oct 2016 to 22. Jan 2017)
その前日に行われた内覧会に招待を受けた筆者は、取材に伺った。特別に撮影許可を得、写真撮影をおこなって来た。
Edward James (1907-1984)、 Roland Penrose (1900-1984)、Gabrielle Keiller (1908-1996)、Ulla and Heiner Pietsch,などのコレクションに加え、
Scottish National Gallery of Modern Art in Edinburgh、 the Museum Boijmans Van Beuningen in Rotterdamをはじめ、アメリカ合衆国の美術館、個人コレクターから集めた180もの作品を集めた大変内容の濃い展覧会だ。
撮影 浦 典子
http://www.hamburger-kunsthalle.de/en/exhibitions/dali-ernst-miro-magritte
http://www.hamburger-kunsthalle.de/en
日本でも昨年(2015年)、マグリット展(Rene Magritte)が大盛況だったことも記憶に新しい。
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2015-10-02
ダリやマグリットの生きた時代は、21世紀の今、全世界的にもう一度評価され、受け入れられているのだ。
ダリ展を感じたまま楽しんでいただきたい。きっと生きる力を得られるはず。
お見逃しなく。
☆展覧会のポイント
スペインとアメリカのダリ・コレクションの全面協力!
ダリの創作活動の全貌を網羅的に紹介!
ダリ・ワールド出現!
☆構成
第1章 初期作品(1904-1922)
第2章 モダニズムの探求(1922-1929)
第3章 シュルレアリスム時代(1929-1939)
第4章 ミューズとしてのガラ
第5章 アメリカへの亡命(1939-1948)
第6章 ダリ的世界の拡張
第7章 原子力時代の芸術(1945-1950s)
第8章 ポルト・リガトへの帰還―晩年の作品(1960s-1980s)
☆ダリ展ジュニア・ガイドブック
「ダリ展」会場入口で、児童・生徒、ならびに学生の方に配付。
ダリや作品の特徴について、わかりやすく紹介したガイドブック。
(対象:小学校5年生以上)
会場
国立新美術館 企画展示室1E
〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2
会期
2016年9月14日(水)~12月12日(月)
毎週火曜日休館
開館時間
10:00~18:00
毎週金曜日、11月26日(土)、12月3日(土)、12月10日(土)は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで
主催
国立新美術館、ガラ=サルバドール・ダリ財団、サルバドール・ダリ美術館、国立ソフィア王妃芸術センター、読売新聞社、日本テレビ放送網、BS日テレ
共催
ぴあ、WOWOW
後援
スペイン大使館、TOKYO FM
特別協賛
キヤノン
協賛
花王、損保ジャパン日本興亜、大日本印刷、大和ハウス工業、トヨタ自動車、みずほ銀行、三井物産
観覧料(税込)
当日
1,600円(一般) 1,200円(大学生) 800円(高校生)
団体
1,400円(一般) 1,000円(大学生) 600円(高校生)
中学生以下および障害者手帳をご持参の方(付添の方1名を含む)は無料。
団体券は国立新美術館でのみ販売(団体料金の適用は20名以上)
会期中に当館で開催中の他の企画展および公募展のチケット、またはサントリー美術館および森美術館(あとろ割対象)で開催中の展覧会チケット(半券可)を提示された方は、本展覧会チケットを100円割引。
国立美術館キャンパスメンバーズ加盟の大学等の学生・教職員は団体料金。
☆国立新美術館ホームページ
http://www.nact.jp
☆展覧会ホームページ
☆読者プレゼント
5組10名様にご招待券 プレゼント
あて先 : loewy@jg8.so-net.ne.jp に
件名:展覧会名と会場名
本文:ご住所、お名前
をお書きの上どしどしご応募下さい。
締切:http://art-news-jp.jimdo.comにてUPした日の午前零時
発送をもって当選と代えさせていただきます。
☆ご意見・ご要望・ご感想のお願い
よりよいサイトづくりのため、読者の皆さまからのご意見を常時受け付けております。
あて先 :loewy@jg8.so-net.ne.jp に
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