和紙―近代和紙の誕生―

 

 

和紙

 

―近代和紙の誕生―

 

 

 

昨年の2015年、奈良国立博物館で「和紙-文化財を支える日本の紙」を開催されたが、その続きとして第二弾の展覧会が開催中だ。

 

そもそも「和紙」という用語は、明治時代に西洋から輸入されたパルプを原料とする紙「洋紙」に対して用いられ始めたという。

 

江戸時代までの日本の紙は、伝統的な手法により各地域で紙が生産されていたが、洋紙に比べると生産効率が劣っていた。

 

そのため、明治になり紙産業は危機的状況に陥ってしまった。

 

明治時代に「洋紙」に対抗できるよう高知県出身の吉井源太(よしいげんた)の手で技術改良され、「近代和紙」に生まれ変わった。

 

その道のりを、江戸時代以前の品や関連資料とともに紹介するもの。

 

吉井源太は、紙の生産効率の向上、インクのにじまない和紙、タイプライター用原紙の開発などの技術改良を行い、日本各地へのその技術普及を行ったのだ。

 

豊臣秀吉朱印状(奈良・談山神社)など、江戸時代以前の品や関連資料が展示された、「和紙」の的を絞った大変珍しい展覧会。

 

この展覧会の図録 B5版のサイズで作られている。

 

 昨今、見かけなくなったB5版。A列はISO 216で画定されている国際標準で、ドイツの工業規格 DIN 476が国際標準化され、各国で使われている。ひと昔前には、AB両版のコピー用紙が用意されていたものだ。

 

しかし、「国際標準」の名のもとに姿を消しつつあるのは、憂慮される。

 

日本工業規格における紙の規格であるJIS B列は江戸時代の公用紙だった美濃紙を元に定めた美濃判に由来している。

 

古くは702年(大宝2年)の正倉院文書に美濃の紙が記録されている。

 

日本人には、A版よりも古くから使われているB5版が手にしっくり来る。

 

「国際標準」という大義に流されず、独自の文化を守ろうとするこうした細かい配慮がなされているのには感動を覚える。、

 

お見逃しなく。

 

会 期

 

平成2867()~平成2873()

 

会 場

 

奈良国立博物館 東新館・西新館

 

休館日 毎週月曜日 

 

開館時間 午前930分~午後5

 

429日以降の毎週金曜日は午後7時まで

 

※入館は閉館の30分前まで 

 

観覧料金   観覧料金

 

一般      大学生

 

個人 520円   260

 

団体 410円   210

 

開館時間 午前930分~午後5

 

※入館は閉館の30分前まで

 

※団体は20名以上。

 

※高校生以下および18歳未満の方、満70歳以上の方、

 

  障害者手帳をお持ちの方(介護者1名を含む)は無料。

 

 ※中学生以下の子どもと一緒に観覧される方は、団体料金が適用。

 

  [子どもといっしょ割引]

 

 622日(水)にご夫婦で観覧される方は、一般料金の半額。

 

   (毎月22日を[夫婦の日])

 

 71日(金)は午後5時以降の入館は団体料金。

 

  [レイト割引]

 

 ※上記料金で、同時開催の名品展「珠玉の仏教美術」(西新館)、「珠玉の仏たち」(なら仏像館)、「中国古代青銅器」(青銅器館)もご観覧可。

 

☆ホームページ

 

http://www.narahaku.go.jp/

 

 

 

 

 

主催

 

奈良国立博物館

 

共催

 

高知県、いの町教育委員会、いの町紙の博物館

 

後援

 

文化庁

 

協力

 

国宝修理装潢師連盟、日本香堂、仏教美術協会

 

 

 

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