第54回大阪国際フェスティバル2016

 

54回大阪国際フェスティバル2016

 

 

国内外から数々の華麗なオーケストラがフェスティバルホールへ

 

                                     

 

 画像提供 朝日新聞文化財団  撮影 森口                                    

  54回大阪国際フェスティバルが今年も開幕した。

  201647日(木)19:00より巨匠サー・ネヴィル・マリナー(Sir Neville Marriner)指揮 アカデミー室内管弦楽団(Academy of St. Martin-in-the-Fields)による歴史的な演奏会が、フェスティバルホールで、行われた。 

☆大阪国際フェスティバルとは?

   大阪国際フェスティバルは1958年(昭和33年)に始まり、今年で54回を数える、芸術・文化財保護活動を旨とする格調高いクラシックの祭典だ。

 

1998年に朝日新聞文化財団がその運営を引き継ぎ、2008年には、第50回の節目を迎えた。

 

2009年から2012年までは、その会場であるフェスティバルホールの建て替えのために休止し、場所を替えて「特別公演」として開催された。

 

そして、2013年春には、新しいフェスティバルホールで再開されて来たという長い歴史を持つ。

 

昨年には、クリストフ・エッシェンバッハ指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の公演が行われた。

 

ザルツブルグ音楽祭に取材に上がった際、クリストフ・エッシェンバッハは「歌曲の夕べ」でピアノを演奏していたかただ。

 

以下で記しているので参照されたし。

 

http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2012-09-20-1

 

その開幕は浪速の春の風物詩ともいえ、日本を含む世界各国から優れたオーケストラによる数々のプログラムは、秀逸で定評がある。

 

フェスティバルホールが会場であることが、この大阪国際フェスティバルの持ち味だ。

 

筆者は、再三、フェスティバルホールの音響が「格別に」素晴らしいことを記して来た。

 

フェスティバルホールでの公演に関して、以下で記しているので、参照されたし。

 

生誕50周年!オーケストラで楽しむ、サンダーバード (Thunderbirds) in コンサート2015

 

http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2015-12-29

 

「ウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団 ニューイヤーコンサート2016

 

http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2016-01-05

 

  フェスティバルホールでの公演では、音が柔らかくまーるいような感覚がする。まさに天から音が降って来るような錯覚にみまわれるほどだ。

 

  新しいフェスティバルホールを建てるにあたり、どの席でもよい音が楽しめるようにそれはそれは苦心に苦心を重ね、ある時は、耳のよいことで有名な日本を代表するポップアーティストの意見を聞き、設計者や建築会社と練りに練った一分の妥協も許さぬホールに創り上げたという。

 

ウイーンフィルとポップアーティストを同様に扱えるような理想の「音」を目指し、この無理難題に取り組んだ。

 

その役割を担った一人が(公財)朝日新聞文化財団においてこの大阪国際フェスティバル 渡辺 章チーフディレクターだ。

 

2016424日(日)に行われる「大阪4大オーケストラの響演」の記者会見で話を伺った。

 

音がいいということで定評のあるフェスティバルホールだが、さまざまな試行錯誤の上に成り立っていることもこの祭典に参加する皆さんに知っていただきたい。

 

「大阪4大オーケストラの響演」については、また別の機会に記すつもりだ。

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渡辺 章チーフディレクター 撮影 浦 典子

 

さて、サー・ネヴィル・マリナーのフェスティバルホール登場は今回が4度目。

 

1963年、 1972年、1988年と過去3回も大阪国際フェスティバルの公演だ。

 

1958年にアカデミー室内管弦楽団を自ら結成し、長年その指揮者を務めてきた。1969年から1979年までロサンジェルス室内管弦楽団を指揮し、1979年から1986年までミネソタ管弦楽団、1983年から1989年までシュトゥットガルト放送交響楽団の音楽監督を務めた。1985年にはナイト号を授与されている。

 

1984年、映画「アマデウス」の音楽を担当し、その サウンドトラックには、マリナー指揮のアカデミー室内管弦楽団による演奏が用いられている。

 

アカデミー室内管弦楽団は、当初は、英国ロンドンのセント・マーティン=イン=ザ=フィールズ教会の小編成の弦楽合奏団として、バロック音楽演奏の復活に貢献して来たが、ヴィヴァルディの『四季』の演奏において画期的な新解釈の演奏を行ない、当時の音楽界に衝撃を与えた。

 

そして、管楽器を加え、編成や規模を変更し、古典派音楽から現代音楽までレパートリーを広げて演奏し続けている。通常のクラシック音楽の録音活動のほか、「タイタニック」のサウンドトラックやナイトウィッシュ「ワンス」なども演奏している。

 

略称は ジ・アカデミー(The Academy)。

 

英語での名称は、セント・マーティン=イン=ザ=フィールズ教区アカデミーだが、分かりやすい訳語として、一般にアカデミー室内管弦楽団といわれている。

 

サー・ネヴィル・マリナーは今年415日に御年92歳になる。アカデミー室内管弦楽団とは現在に至るまで深く関わりをもつ楽団との最後の日本ツアーだ。

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セルゲイ・プロコフィエフ(Sergei Sergeevich Prokofiev)の「古典交響曲」(Classical Symphony Op.25)は、軽妙で伝統に基づきながらも爽快さを感じさせ、レイフ・ヴォーンウィリアムズ(Ralph Vaughan Williams)の「タリスの主題による幻想曲」(Fantasia on a Theme of Thomas Tallis or  Tallis Fantasia)は、弦楽四重奏と弦楽オーケストラにより、魅惑の世界へといざなう。

 

プロコフィエフの「古典交響曲」の第3楽章は、珍しくガボットだ。プロコフィエフは、後にバレエ音楽「ロメオとジュリエット」にこれを転用している。

 

ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 作品92は、誰しもが知るメロディー。それを伝統を重んじる国、英国の室内管弦楽団らしく、緻密にかつ優美に奏で、聴衆を惹きつけた。

 

なお、この室内管弦楽団は、指揮者のみならず、男性は全員が燕尾服を着用して演奏を行ない、その公演をさらに格調高いものにしていた。

 

91歳と思えない若々しい指揮者は、いぶし銀のような熟練技巧をまざまざと魅せつけ、老いもつもに元気を与えてくれた。

 

花束をプレゼントされたマエストロは、受け取った後、女性奏者にそっと手渡し「粋」な計らいを見せ、場を和ませた。

 

取材に伺った筆者の上司は、室内管弦楽団の演奏の完成度の高さとエレガントな身のこなしに感銘を受け、サー・ネヴィル・マリナーの指揮には涙がこぼれたという。マエストロに比べたら、「私はまだまだ子供。」と若返り、「張り」が出たようだ。

 

それは、筆者の上司のみならず、すべての鑑賞者にいえることだろう。

 

54回大阪国際フェスティバルは、始まったばかり。

 

この公演を鑑賞したかたも残念ながら見逃したかたも次の公演は、お見逃しなく。

 

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☆プログラム

 

プロコフィエフ:交響曲第1番 ニ長調 作品25 「古典交響曲」

 

ヴォーン・ウィリアムズ:トマス・タリスの主題による幻想曲

 

ベートーヴェン:交響曲第7番 イ長調 作品92

 

サー・ネヴィル・マリナー(指揮)

 

アカデミー室内管弦楽団

 

 

 

【入場料】

 

S14,000円、A12,000円、B10,000円、C8,000円、D6,000円、BOX18,000円、バルコニーBOX席(2席セット)28,000

 

【ご予約・お問合せ】フェスティバルホールチケットセンター 06-6231-2221(営業時間10:0018:00http://www.festivalhall.jp/

 

主催:朝日新聞文化財団、朝日新聞社、大阪国際フェスティバル協会

 

協賛:朝日放送、ダイキン工業、竹中工務店

 

協力:フェスティバルホール

 

Prokofiev: Symphony No.1 in D Major, Op. 25 “Classical”

 

Vaughan Williams: Fantasia on a Theme of Thomas Tallis

 

Beethoven: Symphony No.7 in A major, Op.92

 

Sir Neville Marriner, conductor

 

Academy of St Martin in the Fields

 

Admissions: S: 14,000, A:12,000, B:10,000, C:8,000, D:6,000, BOX:18,000, BALCONY BOX:28,000twin seat)1

 

 

 

☆アカデミー室内管弦楽団(Academy of St. Martin-in-the-Fields)ホームページ

 

http://www.asmf.org

 

☆第54回大阪国際フェスティバル2016

 

http://osakafes.jp

 

☆朝日新聞文化財団

 

http://www.asahizaidan.or.jp

 

☆フェスティバルホール ホームページ

 

http://www.festivalhall.jp

 

 

 

※人物名の表記は、敬称略。

 

※画像および記事の無断転載禁止

 

 

 

☆第54回大阪国際フェスティバル2016今後の予定

 

秋公演は20165月発売予定。

 

■大阪4大オーケストラの響演

 

2016424日(日)17:00開演

 

16:40から指揮者4人によるプレトークを開催します。本番を前にしたマエストロたちの生の声にも注目!

 

■トーンキュンストラー管弦楽団(指揮:佐渡裕)【提携公演】

 

2016528日(土)14:00開演

 

■フィラデルフィア管弦楽団(指揮:ヤニック・ネゼ=セガン)

 

201662日(木)19:00開演

 

■バーミンガム市交響楽団(指揮:山田和樹)

 

2016626日(日)14:00開演

 

■ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(指揮:ズ―ビン・メータ)

 

2016106日(木)

 

※開演時間、曲目、チケット等詳細は後日発表。

 

■ラン・ラン(ピアノ)リサイタル

 

20161129日(火)

 

 

 

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