マリメッコ展
―デザイン、ファブリック、
ライフスタイル
marimekko -Design,Fabric,Lifestyle
布からはじまる北欧のくらし
マリメッコ展 高知会場 画像提供 高知県立美術館
国内初となる、大規模なマリメッコ(marimekko)展が高知県立美術館にて開催中だ。
マリメッコ (Marimekko Oyj) は、フィンランドを代表するデザインハウスだ。同社が展開するファッションブランド名が、マリメッコ (筆者注 小文字でmarimekko) なのだ。
鮮やかな色の大胆なプリント柄は一目で“マリメッコ”とわかるほど個性的で、可愛らしさの中にもセンスが光る。
マリメッコといえば、フィンランド。フィンランドといえばマリメッコというくらい知名度が高い。
マリメッコに関しては、以下の展覧会が開催された際、筆者は記しているので参照されたし。
「特別展:森と湖の国 フィンランド・デザイン」
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2013-01-13
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2013-07-24
「フィンランドのくらしとデザイン展」
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2013-02-24
また、フィンランドに関しての展覧会が開催された際、筆者は以下で記しているので参照されたし。
「生誕100周年 トーベ ヤンソン展 ~ムーミンと生きる~」
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2014-11-26-1
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2015-04-27-1
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2015-06-30
「トーベ・ヤンソン生誕100年記念 MOOMIN!ムーミン展」
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2015-04-27
「ヘレン・シャルフベック――魂のまなざし」
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2015-07-12
http://artnews.blog.so-net.ne.jp/2015-09-09
さて、マリメッコとは?
1951年、アルミ・ラティアによってヘルシンキで創業された。テキスタイル・デザインを学んだのち、広告代理店で経験を積んだラティアの元へ才能あるデザイナー達が集い、優れたデザインと巧みなPR戦略によって、60年代には世界的なブランドへと成長して行ったのだ。
1951年といえば、第二次大戦後間もない。フィンランドは敗戦国として終戦を迎えたことを知る人は少ないであろう。
戦後はソ連の勢力下に置かれ、ソ連の意向によりマーシャル・プランも受けられず、北大西洋条約機構にもECにも加盟せず、大変苦しく貧しい時期を過ごさざるを得なかったのだ。
また、アーティストの名前もソ連風に変えないといけないなど、フィンランドの文化を踏みにじるような時期でもあった。
今でこそ、福祉国家として君臨しているが、そんな歴史背景を鑑みることも必要であろう。
ちなみにマリメッコの名は「小さなマリーのためのドレス」という意味。何となく日本語の「甥っ子」「姪っ子」のような語感に似た名前には親近感を感じる。
マリメッコが生み出す布地の柄は、多くがフィンランドの伝統的なモチーフや自然に着想を得つつ、大胆でカラフル、抽象的なデザインだ。
そうした柄の映えるシンプルなカッティングの服は、高い人気を呼び、1960年のアメリカ大統領選挙で、ジョン・F・ケネディ候補夫人のジャクリーン・ケネディがマリメッコのドレスを愛用していたことが報道されたことで、アメリカでの知名度が急上昇した。
その後、製品は家庭用品やインテリア にまで展開され、マリメッコは今日、日本を含む世界中で絶大な人気を誇っている。
2012年10月27日、上海で開催されたラディカル・デザインウィークに合わせ、マリメッコを代表するデザインのひとつである「ウニッコ」柄を特別塗装したフィンランド航空のエアバスA340-300(機体記号:OH-LQD)が就航している。
この展覧会は、ヘルシンキのデザイン・ミュージアム(Designmuseo Designmuse)の所蔵作品から、ファブリック約50点、貴重なヴィンテージドレス約60点、デザイナー自筆のスケッチ、各時代の資料 などを通して、マリメッコの60年にわたる歴史をたどり、個性あふれるデザイナーの仕事ぶりと活躍を紹介している。
マリメッコの国内初の大規模な展覧会だ。
ヘルシンキのデザイン・ミュージアムのキュレータにアポイントを取って伺った際、筆者はざっくり、調べたいことを申しただけにも関わらず、きちんと資料を用意しておいてくれ、タピオ・ヴィルッカラの長女、マアリア・ヴィルッカラ(Maaria Wirkkala)にインタビューをすることができたのも、このデザイン・ミュージアムのおかげだ。
筆者はヘルシンキに行ったら必ず訪れることにしている。デザイン・ミュージアムは、ヘルシンキ観光の
“MUST GO”にもなっている。ぜひ、訪れていただきたいものだ。
その前にこの展覧会を鑑賞し、マリメッコを知ることでデザイン・ミュージアムを訪れる時の楽しみが数倍にも増えるであろう。
「くらしを豊かにする」フィンランドのデザイン。その代表であるマリメッコは、時代と地域を超えるロングライフ・デザインとして現在も世界中の家庭で愛用されている。
この展覧会は、今、日本が何をすべきかを教えてくれている。
会期
2016年1月23日(土)~3月27日(日)
会期中無休
■開館時間:午前9時~午後5時 (入場は午後4時30分まで)
■観覧料:一般前売り 900円/当日1,100円/団体880円、大学生当日800円/団体640円・高校生以下は無料
※ ( )内は20名以上の団体割引料金。
※ 年間観覧券所持者(2,580円)は無料。
※ 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、戦傷病者手帳及び被爆者健康手帳所持者とその介護者(1名)、高知県及び高知市の長寿手帳所持者は無料。
■主催:高知県立美術館、フィンランド・デザイン・ミュージアム、朝日新聞社 KUTVテレビ高知
■後援:フィンランド大使館、高知県教育委員会、高知市教育委員会、NHK高知放送局、 KCB高知ケーブルテレビ、エフエム高知、高知シティFM放送
■協力:Visit Finland (フィンランド政府観光局)、フィンエアー、フィンエアーカーゴ、認定NPO法人高知こどもの図書館
■協賛:こだま印刷
☆高知県立美術館
http://www.kochi-bunkazaidan.or.jp/~museum/contents/exhibition/exhibition/2015/marimekko/marimekko.html
☆マリメッコ展公式ウェブサイト
http://marimekko-exhibition.jp
☆マリメッコウェブサイト
http://www.marimekko.jp
https://www.marimekko.com/com_en
☆フィンランド・デザイン・ミュージアム(Designmuseo Designmuseo)
http://www.designmuseum.fi/en
☆読者プレゼント
5組10名様にご招待券 プレゼント
あて先 :loewy@jg8.so-net.ne.jp に
件名:展覧会名と会場名
本文:ご住所、お名前
をお書きの上どしどしご応募下さい。
締切:UPした翌日の午前零時
発送をもって当選と代えさせていただきます。
☆ご意見・ご要望・ご感想のお願い
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※人物名の表記は、敬称略。
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☆巡回予定
2016年4月23日(土)~7月11日(月)島根県立石見美術館
2016年10月8日(土)~11月27日(日)西宮市大谷記念美術館
2016年12月17日(土)~2017年2月12日(日)Bunkamuraザ・ミュージアム