「美育」のすすめ
サイト開設のきっかけ
弊社は社員研修サービスの会社です。
社員研修を行っていて、美術館にあまり行ったことがないという受講生の話をよく聞きます。
美術には商品開発のインスピレーションを生んだり、作家の仕事の仕方を学んだり、とビジネスに役立つヒントが多く潜んでいます。
しかし、美術館を自分の仕事に役立てている人は少ないのが、日本の現実です。
海外では、仕事に行き詰った時には、美術館に行ってリフレッシュするビジネスマンが多いのです。
また、芸術からパワーをもらうという人も多いのに、それを活用していないのはたいへんもったいないです。
これが、日本が国際競争力で負ける原因の一つではないかと思いました。
最初は、自分の受講生に美術館に行くことを勧めていました。ですが、課題として出すと美術館には行くのですが、どうも課題だから仕方がないといやいや行っていることに気づきました。
また、どこの美術館の何展を鑑賞したらよいかわからない、そこから何が得られるのかわからないという意見を多数聞きました。
インスピレーションというものは、一朝一夕には湧いて来ないのですが、即効性を求めているという現実も間近に感じました。
大変情けない気持ちでいっぱいでした。しかし、現実を見ないわけにはいきません。
そこで、私はその企業のかたに役立ちそうな美術展をピックアウトして紹介することにし、美術館や展覧会を調べ始めました。
そこから、何を掴んで欲しいかまで考えながら・・・。
すると、素晴らしい展覧会や常設展を持つ美術館がたくさん見つかりました。
しかし、短い研修時間では美術だけに時間を割くわけにはまいりません。
そこで、サイトで情報を発信して行こうと考えたのです。
企業には、いい製品やサービスを提供していただき、しっかり稼いで、その利益を芸術に還元していただきたいと心の底から私は望んでいます。
優秀なビジネスマンは、芸術に対する理解と造詣が深いものです。
また、美術教育は、小さなお子さんに大変重要な初等教育であるにもかかわらず、今の日本の教育体制には、欠落していると日々感じております。
例えば、アイルランド、ダブリンの美術館では、画材セットがパックになったものが入口に置かれており、手続きさえすれば大人から子供まですべての希望者に「無料」で貸し出されます。
本人にやる気さえあれば、お金を気にせず、学べるのです。
海外の美術館に行くと、自分が貧しい発展途上国から来た人間であるということを思い知らされます。
経済大国と言われている日本から来ているのに・・・。
人がモノを買おうとする時、品質が同じようなら、デザイン性の高いものを購入しようとするのは明白です。
日本は技術には優れているのですから、デザインや芸術の教育が今、国家レベルで急務なのです。
五教科は、後からでも本人の努力で何とか取り返せますが、子供の時こそ、きちんと芸術教育しておかないと「センス」は磨けません。
また、日本の伝統の良さを知らなければ、海外の人に日本のことを説明もできないです。
市民レベルの国際交流がいかに大切かご理解いただきたいと思います。
日本人としての誇りも持つためにも、「和」の文化を理解した上で西洋文化を鑑賞すると視野が広がります。
日本人が語学力と交渉術、美術への造詣を身につけたら、ゆるぎない世界最強の国民になれると思います。
だからこそ、一人でも多くの皆さんに美術館や博物館を身近に感じていただき、見る目を磨いていただきたいのです。
経済大国の日本ですが、食べるのに精いっぱいで美術館に行く余裕などないというご意見もよくお聞きします。
そこで美術館になじみがないというかたに、足を運ぶ第一歩として気軽に行っていただくように、美術館のご協力により、ご招待券を抽選でプレゼントいたしております。
ぜひ、ご活用いただき、美術館に行くという「習慣」を身につけていただきたいと思います。
そして、美術館を訪れ、芸術に触れる喜びを感じていただき、美術ファンになっていただけたら幸いです。
美術は決して格式の高いものではありません。
難しく考える必要もありません。
解説どおりの感じ方をする必要もありません。
ご自分なりの鑑賞のしかたをしていただければいいのです。
美術初心者のかたのご意見をお聞きしていると、新鮮な見方にはっとすることがあります。
皆さんのお仕事や子育ての手助けになれば幸いです。